作成日:2026.10.22
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制度・政策・審議会
※本記事は、作成日または最終更新日時点で公表されている制度情報・数値・資料に基づいて作成しています。
OCCTOが容量市場の業務マニュアル6編(実需給期間中のリクワイアメント4編・ペナルティ/容量確保契約金額編・容量拠出金編、対象実需給年度2027年度)の意見募集を開始(10/13〜10/26)。調整不調ペナルティは契約変更せず金額相当を請求、同一受電地点にメインと長期脱炭素の契約が混在する場合の扱いを追記、5月上旬のアセスメント対象容量の確認を新設
電力広域的運営推進機関(OCCTO)は10月13日、容量市場の業務マニュアルのうち実需給期間中に使う6編について、対象実需給年度を2027年度とする案の意見募集を始めた。期間は10月13日から10月26日まで。前年度からの更新点のうち蓄電池に関わるのは、調整不調ペナルティを契約変更ではなく金額相当の請求で処理する扱いと、同じ受電地点にメインオークションと長期脱炭素電源オークションの契約が混在する場合の扱いの追記、それに5月上旬にアセスメント対象容量を事業者が確認する業務の新設である。まだ案の段階で、制定・公表は意見募集のあとになる。
CONTENTS目次
何が起きたか:OCCTOは10月13日、容量市場業務マニュアルのうち実需給期間中の6編(リクワイアメント対応の安定電源・変動電源(単独)・変動電源(アグリゲート)・発動指令電源の4編、ペナルティ・容量確保契約金額対応編、容量拠出金対応編)の2027年度向け案の意見募集を始めた。期間は10月13日から10月26日まで。
なぜ重要か:容量市場で約定した系統用蓄電池(安定電源・発動指令電源)は、2027年度の実需給期間にこのマニュアルに沿って算定諸元の登録やアセスメント結果の確認を行う。前年度からの更新点に、調整不調ペナルティの扱いと、メインオークションと長期脱炭素電源オークションの契約が同じ受電地点にある場合の扱いが入った。
何をすべきか:2027年度に容量確保契約がある蓄電池事業者は、該当する編の更新箇所を読み、意見があれば10月26日17時までにメールで出す。本稿公開の10月22日から数えて残り4日である。2027年5月上旬のアセスメント対象容量の確認を、社内の業務カレンダーに入れておく。
意見募集の対象は6編、期間は10月13日から26日まで
容量市場の業務マニュアルは、オークションの参加段階から実需給期間中の運用まで、場面ごとに編が分かれている。今回意見募集にかかったのは、そのうち実需給期間中に使う6編で、対象実需給年度は2027年度である。内訳は次のとおり(OCCTO 意見募集ページ)。
| # | 編 | 向け先 | 頁数(案) |
|---|---|---|---|
| 1 | 実需給期間中リクワイアメント対応(安定電源)編 | 容量提供事業者 | 226頁 |
| 2 | 実需給期間中リクワイアメント対応(変動電源(単独))編 | 容量提供事業者 | 101頁 |
| 3 | 実需給期間中リクワイアメント対応(変動電源(アグリゲート))編 | 容量提供事業者 | 67頁 |
| 4 | 実需給期間中リクワイアメント対応(発動指令電源)編 | 容量提供事業者 | 75頁 |
| 5 | 実需給期間中ペナルティ・容量確保契約金額対応編 | 容量提供事業者 | 54頁 |
| 6 | 容量拠出金対応編 | 小売電気事業者等 | 78頁 |
6編を合わせると601頁になる。これに加えて、14頁の補足説明資料が参考資料として付いている。補足説明資料は意見募集の対象ではないが、「前年度からの主な更新点」がまとまっているので、どこが変わったかを掴むにはまずこちらを読むのが早い。ひとつ注意がある。この補足説明資料には、作成過程の編集メモ(日付と修正理由の注記)が残ったまま公表されている。内容の理解には影響しないが、読んでいて面食らうかもしれない。
意見の提出先は、OCCTO 需給計画部の「容量市場業務マニュアル(リクワイアメント/ペナルティ・容量確保契約金額/容量拠出金 関係)(対象実需給年度:2027年度)意見募集係」で、電子メールで受け付ける。期間は10月13日から10月26日まで。意見募集のあとに制定・公表される。
なお、長期脱炭素電源オークションで落札した電源の実需給期間中の業務マニュアル類は、今回の6編には入っていない。こちらは「意見募集実施予定」とされている。長期脱炭素で落札した蓄電池を持つ事業者は、今回の6編とは別に、そちらの意見募集を待つことになる。
調整不調ペナルティは契約変更をせず、金額相当を請求する
蓄電池事業者に直接効く更新点の1つ目は、ペナルティの扱いである。実需給期間中ペナルティ・容量確保契約金額対応編の2.1.1.1に、第73回容量市場の在り方等に関する検討会の整理を受けて、今後は調整不調ペナルティによる契約変更は行わず、ペナルティ金額相当を請求する扱いが追記された。
つまり、調整不調に当たった場合の処理が、容量確保契約そのものを変更する形から、ペナルティに相当する金額を請求する形に変わる。契約の中身は動かさず、金銭のやり取りで処理するという整理である。容量確保契約を社内でどう管理しているかによって、この違いは小さくない。契約変更であれば契約管理の担当が動くが、金額相当の請求であれば経理側の処理になる。請求の時期や手順がどう書かれているかは、同編2.1.1.1の本文に当たって確かめてほしい。本稿は補足説明資料の更新点の記載にもとづいており、各編の本文を全頁精読したものではない。
なお、この扱いは検討会の整理を受けたもので、マニュアル側はその結果を業務手順に落とし込んだ形になる。制度の新設ではなく、業務手順の更新である。
同じ受電地点にメインと長期脱炭素の契約が混在する場合
更新点の2つ目は、同じ受電地点にメインオークションの契約と長期脱炭素電源オークションの契約が混在する場合の扱いである。安定電源編の3.1.2.1・4.1.1・4.1.1.1・4.1.1.3と、変動電源(単独)編の3.1.2.1に、この場合の扱いが追記された。
蓄電池で言えば、長期脱炭素電源オークションで落札した設備と、メインオークションで約定した容量が同じ受電地点にあるケースがこれに当たる。追記なので、前年度版にはなかった扱いが加わる形になる。該当する節は安定電源編に4つ、変動電源(単独)編に1つと分かれている。どの場面でどう扱いを分けたのか、その中身は各節を読まないと分からない。本稿が頼りにしている補足説明資料の更新点の記載は、節番号と「追記した」という事実までである。
読者別に影響を整理すると、メインオークションの契約だけを持つ蓄電池には、この追記は関係しない。長期脱炭素の契約だけを持つ蓄電池も、今回の6編の直接の対象ではない。影響を受けるのは、両方の契約を同じ受電地点に持つ事業者で、この事業者は扱いの確認が必要になる。
5月上旬の確認業務が新設、容量拠出金編も更新
3つ目は、業務の新設である。リクワイアメント対応の4編(安定電源・変動電源(単独)・変動電源(アグリゲート)・発動指令電源)の1.5または1.6に、次の業務が入った。対象実需給年度の5月上旬に、OCCTOがアセスメント対象容量を容量市場システムに登録し、事業者が誤りの有無を確認する。電源等差替をしている場合は、差替容量を含めて登録される。
確認するのは事業者側である。OCCTOが登録した値に誤りがないかを見る業務なので、見過ごしても何かが止まるわけではない。だからこそカレンダーに入れておかないと忘れる。2027年度向けなので、時期は2027年5月上旬になる。電源等差替をしている事業者は、差替容量が正しく反映されているかまで見る必要があるので、差替の相手方との情報のやり取りも含めて、少し早めに準備しておきたい。
4編すべてに入ったという点も押さえておきたい。安定電源として約定した蓄電池だけでなく、発動指令電源としてアグリゲーターの下に入っている蓄電池や、変動電源(アグリゲート)を束ねるアグリゲーターにも同じ確認業務が来る。
残る容量拠出金対応編の更新は、容量拠出金を負担する小売電気事業者等に向けたものである。算定方法に長期脱炭素電源オークションの要素を追加し、各算定方法を数式で明確化した。年次精算のスケジュールも見直されている(同編1.3・2.1〜2.4)。蓄電池事業者の手続きが直接変わるわけではないが、長期脱炭素電源オークションの要素が拠出金の算定に入ること自体は、容量市場の費用がどう回収されるかを知る上で頭に置いておきたい。
2027年度に容量確保契約がある蓄電池事業者が今確かめること
| # | 確かめること | 根拠 |
|---|---|---|
| 1 | 自社の電源区分(安定電源・発動指令電源・変動電源)に当たる編はどれか。その編の「前年度からの主な更新点」を補足説明資料で読む | 補足説明資料(14頁) |
| 2 | 同じ受電地点にメインオークションと長期脱炭素電源オークションの両方の契約があるか。あれば安定電源編3.1.2.1・4.1.1・4.1.1.1・4.1.1.3(変動電源(単独)は3.1.2.1)を読む | 安定電源編・変動電源(単独)編の該当節 |
| 3 | 調整不調ペナルティが契約変更ではなく金額相当の請求になることを、社内の契約管理と経理の手順に当てはめる | ペナルティ・容量確保契約金額対応編 2.1.1.1 |
| 4 | 2027年5月上旬のアセスメント対象容量の確認を業務カレンダーに入れる。電源等差替をしている場合は差替容量も含む | リクワイアメント対応4編の1.5または1.6 |
| 5 | 意見があれば、10月26日17時までに需給計画部の意見募集係へ電子メールで出す(本稿公開の10月22日から残り4日) | OCCTO 意見募集ページ |
| 6 | 長期脱炭素電源オークションの実需給期間中マニュアル類の意見募集(実施予定)を待ち、今回の6編と合わせて読む | 補足説明資料 |
5月上旬の確認業務は、発動指令電源編と変動電源(アグリゲート)編にも入っている(1.5または1.6)。束ねている蓄電池のアセスメント対象容量をOCCTOが登録し、誤りの有無を確認するのはアグリゲーター側になる。電源等差替をしているリソースがあれば、差替容量まで見る。意見募集は10月26日までで、まだ案の段階である。
よくある質問
Q1. 今回のマニュアルはもう制定・公表されたものですか。
Q2. どの事業者が対象ですか。
Q3. 調整不調ペナルティの扱いは何が変わりますか。
Q4. メインオークションと長期脱炭素電源オークションの両方の契約が同じ受電地点にある場合はどうなりますか。
Q5. 5月上旬の「アセスメント対象容量の確認」とは何ですか。
Q6. 意見はどこへ、どうやって出しますか。
編集部の見立て
- 今回は毎年度の業務手順の更新で、制度の新設ではない。ただ6編で601頁ある中で、蓄電池に効く箇所はペナルティ編の2.1.1.1、安定電源編の同一受電地点の節、4編の1.5または1.6に絞られる。そこだけ読めば、読む量は見た目ほど多くないと編集部はみている。
- メインと長期脱炭素の同一受電地点は、長期脱炭素電源オークションで落札した蓄電池が実需給期間に入るにつれて、当たる事業者が増える論点である。長期脱炭素側の実需給期間中マニュアル類は意見募集実施予定とされており、そちらが出てから両方を並べて読む必要がある。
- 5月上旬のアセスメント対象容量の確認は、OCCTOが登録した値の誤りを見つける側が事業者になっている。差替をしている事業者ほど確認する項目が増える。期限が先なので忘れやすく、今のうちにカレンダーへ入れておくのが現実的な対応だと考える。
編集体制と事実確認プロセス
BESS NEWSの記事はこう作っています
- BESS NEWSは一次情報主義を採ります。官公庁・電力広域的運営推進機関・一般送配電事業者などが自ら公表した文書とページのみを出典とし、業界紙・ニュースサイト・プレスリリース配信の二次情報は出典に用いません。
- 本稿は、OCCTOの意見募集ページと、そこに掲載された補足説明資料(14頁)および6編(安定電源編226頁、変動電源(単独)編101頁、変動電源(アグリゲート)編67頁、発動指令電源編75頁、ペナルティ・容量確保契約金額対応編54頁、容量拠出金対応編78頁)にもとづきます。2026年10月13日の監視で取得しました(20261013_occto_261013_youryou_gyoumumanual_hosoku.pdf ほか6本)。
- 7本のPDFからテキストを取り出し、補足説明資料の「前年度からの主な更新点」と意見募集の要領を精読しました。各編本文の全頁精読は行っていません。本稿で挙げた節番号は補足説明資料の記載にもとづきます。
- 6編はいずれも案の段階で、意見募集のあとに制定・公表されます。本稿の内容は制定版で変わる可能性があります。
- 「編集部の見立て」は一次情報の事実にもとづく編集部の解釈で、確定的な見通しではありません。
数値照合表
本文に出した主要な数値と記載を、一次情報の該当箇所と1対1で対照した表である。
| # | 本文の数値・事実 | 一次情報の記載 | 出典(該当箇所) |
|---|---|---|---|
| 1 | 意見募集の期間は10月13日から10月26日まで | 意見募集期間 2026年10月13日〜10月26日 | OCCTO 意見募集ページ |
| 2 | 対象は実需給期間中の6編(リクワイアメント対応4編、ペナルティ・容量確保契約金額対応編、容量拠出金対応編) | 実需給期間中リクワイアメント対応(安定電源)編/(変動電源(単独))編/(変動電源(アグリゲート))編/(発動指令電源)編、実需給期間中ペナルティ・容量確保契約金額対応編、容量拠出金対応編 | OCCTO 意見募集ページ |
| 3 | 対象実需給年度は2027年度 | 容量市場業務マニュアル(対象実需給年度:2027年度) | OCCTO 意見募集ページ |
| 4 | 提出先は需給計画部の意見募集係、電子メール | OCCTO 需給計画部 容量市場業務マニュアル(リクワイアメント/ペナルティ・容量確保契約金額/容量拠出金 関係)(対象実需給年度:2027年度)意見募集係(電子メール) | OCCTO 意見募集ページ |
| 5 | 調整不調ペナルティによる契約変更は行わず、ペナルティ金額相当を請求 | 第73回容量市場の在り方等に関する検討会の整理を受け、今後は調整不調ペナルティによる契約変更は行わず、ペナルティ金額相当を請求する扱いを追記 | 補足説明資料「前年度からの主な更新点」/ペナルティ・容量確保契約金額対応編 2.1.1.1 |
| 6 | 同一受電地点にメインと長期脱炭素の契約が混在する場合の扱いを追記 | 安定電源編 3.1.2.1・4.1.1・4.1.1.1・4.1.1.3、変動電源(単独)編 3.1.2.1 に追記 | 補足説明資料「前年度からの主な更新点」/安定電源編・変動電源(単独)編の該当節 |
| 7 | 5月上旬にOCCTOがアセスメント対象容量(差替容量を含む)を登録し、事業者が誤りの有無を確認 | 対象実需給年度の5月上旬にOCCTOがアセスメント対象容量(電源等差替をしている場合は差替容量を含む)を容量市場システムに登録し、事業者が誤りの有無を確認する | 補足説明資料「前年度からの主な更新点」/リクワイアメント対応4編の1.5または1.6 |
| 8 | 容量拠出金の算定方法に長期脱炭素電源オークションの要素を追加、数式で明確化、年次精算スケジュールを見直し | 算定方法に長期脱炭素電源オークションの要素を追加し、各算定方法を数式で明確化。年次精算のスケジュールを見直し | 補足説明資料「前年度からの主な更新点」/容量拠出金対応編 1.3・2.1〜2.4 |
| 9 | 意見募集のあとに制定・公表。長期脱炭素電源オークションの実需給期間中マニュアル類は意見募集実施予定 | 意見募集後に制定・公表する。長期脱炭素電源オークションの実需給期間中の業務マニュアル類は「意見募集実施予定」 | 補足説明資料(意見募集の要領) |
| 10 | 補足説明資料は意見募集の対象外。編集メモが残ったまま公表 | 補足説明資料(意見募集の対象外)には、作成過程の編集メモ(日付と修正理由の注記)が残ったまま公表されている | OCCTO 意見募集ページ/補足説明資料 |
| 11 | 頁数:補足説明資料14頁、安定電源編226頁、変動電源(単独)編101頁、変動電源(アグリゲート)編67頁、発動指令電源編75頁、ペナルティ・容量確保契約金額対応編54頁、容量拠出金対応編78頁(6編で601頁) | 10/13 の監視 run で取得した7本の PDF の頁数(日次レポートの記録) | 意見募集ページ掲載の各PDF |
| 13 | 意見の提出期限は10月26日17時 | 提出期限 10月26日 17時 | OCCTO 意見募集ページ |
| 12 | 蓄電池は安定電源・発動指令電源として2027年度にこのマニュアルに沿って算定諸元の登録やアセスメント結果の確認を行う | 実需給期間中リクワイアメント対応(安定電源)編・(発動指令電源)編の対象業務 | 安定電源編・発動指令電源編 |
出典(一次情報)
- 電力広域的運営推進機関「容量市場業務マニュアル(リクワイアメント/ペナルティ・容量確保契約金額/容量拠出金 関係)(対象実需給年度:2027年度)に関する意見募集」(2026年10月13日 公表。意見募集期間 10月13日〜10月26日。本稿は同ページと掲載PDF 7本(補足説明資料および6編)を参照)
※二次情報(業界紙・ニュースサイト・プレスリリース配信)は出典に用いていません。
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