作成日:2026.01.30
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制度・政策・審議会
※本記事は、作成日または最終更新日時点で公表されている制度情報・数値・資料に基づいて作成しています。
第17回制度設計・監視専門会合『需給調整市場の運用等』と揚水随意契約のエリア別状況 ― 12月の三次調整力②約定単価は全エリア低下
電力・ガス取引監視等委員会は2026年1月30日の第17回制度設計・監視専門会合で、資料3『需給調整市場の運用等について』と、資料4『2025年度揚水随契運用状況』・資料5-1〜5-5(中部・東北・関西・北海道・東京の各エリアにおける揚水随意契約)を提示した。12月の前日取引(三次調整力②)の平均約定単価は全エリアで前月比低下し、最高約定単価も東北195→36円、中部200→24.66円、北陸200→4.54円、関西200→6.66円と大きく低下している。2026年度の需給調整市場の地域間連系線確保量もあわせて整理された。
このページの要点
- 12月の前日取引(三次調整力②)の平均約定単価は全エリアで前月比低下。最高約定単価も北海道・中国・四国以外のエリアで前月比低下し、東北195→36円、中部200→24.66円、北陸200→4.54円、関西200→6.66円と大きく低下した。
- 資料3では、エリア別の平均・最高・最低約定単価、想定費用、約定量の推移(2025年4月1日〜2026年1月10日)を整理するとともに、2026年度における需給調整市場の地域間連系線の確保量を整理した。
- 資料4および資料5-1〜5-5では、2025年度の揚水随意契約の運用状況を中部・東北・関西・北海道・東京の各エリア別に報告し、揚水発電の随意契約締結に伴う募集量の見直しが需給調整市場(三次調整力②)の約定量・想定費用に与える影響を点検している。
出典:電力・ガス取引監視等委員会 第17回制度設計・監視専門会合(2026年1月30日)資料3・資料4・資料5-1〜5-5。
系統用蓄電池が調整力で競合する三次調整力②の価格が、12月に全エリアで下がった。同じ会合では、蓄電池の競合となる揚水発電の随意契約の運用状況がエリア別に点検されており、蓄電池の収益環境を市場価格と市場外調達の両面から読むための一次資料である。
12月の需給調整市場の約定単価動向
平均約定単価は全エリアで前月比低下。最高約定単価は4エリアで一段と大きく下がった。
図1:12月の三次調整力② ― 平均約定単価の全エリア低下と最高約定単価の低下幅
出典:監視委 第17回制度設計・監視専門会合(2026年1月30日)資料3『需給調整市場の運用等について』。単位は資料の表記に従う。
電力・ガス取引監視等委員会は2026年1月30日、第17回制度設計・監視専門会合に資料3『需給調整市場の運用等について』を提示した。1月中旬までの需給調整市場の動きとして、12月の前日取引(三次調整力②)の平均約定単価が全エリアで前月比低下したことが報告されている。
最高約定単価についても、北海道・中国・四国以外のエリアで前月比低下した。特に低下幅が大きかったのは次の4エリアである。
資料3では、エリア別の平均約定単価・最高約定単価・最低約定単価・想定費用・約定量の推移が、2025年4月1日から2026年1月10日までの期間で整理されている。
2025年度揚水随意契約のエリア別運用
資料4と資料5系で、5エリアの揚水随意契約の運用状況が点検された。
図2:2025年度揚水随意契約のエリア別運用 ― 募集量を通じた三次調整力②への影響
出典:監視委 第17回制度設計・監視専門会合(2026年1月30日)資料4・資料5-1〜5-5。
※ 本セクションは、監視委が第17回制度設計・監視専門会合に提示した会合資料の記載事項を整理したものである。本記事が依拠する一次情報の範囲では、揚水随意契約をめぐる個別事業者の主張・見解や、監視委による評価・処分の結論は確認していない。以下の記述はいずれも会合資料に基づく事実の整理であり、特定の事業者の行為を評価・批判するものではない。
同会合では、資料3とあわせて資料4『2025年度揚水随契運用状況』と資料5-1〜5-5が提示された。資料5系は、中部・東北・関西・北海道・東京の各エリアにおける揚水随意契約を対象としており、資料5-1が中部エリアを扱う。
資料4および資料5-1〜5-5では、2025年度の揚水随意契約の運用状況をエリア別に報告し、揚水発電の随意契約締結に伴う募集量の見直しが、需給調整市場(三次調整力②)の約定量・想定費用に与える影響を点検している。市場外で確保される揚水の調整力が需給調整市場の募集量を縮小させるという構造が、資料の論点として置かれている。
2026年度の連系線確保量と蓄電池の収益環境
価格形成と市場外調達、そしてエリアをまたぐ調整力の前提条件。
資料3では、価格動向の整理に加えて、2026年度における需給調整市場の地域間連系線の確保量についても整理されている。連系線の確保量はエリアをまたぐ調整力の流通量に関わるため、広域的に調整力を提供する場合の前提条件となる。
12月の前日取引(三次調整力②)の平均約定単価は全エリアで前月比低下した。最高約定単価も北海道・中国・四国以外のエリアで前月比低下し、特に東北(195円→36円)・中部(200円→24.66円)・北陸(200円→4.54円)・関西(200円→6.66円)の各エリアで大きく低下した。
— 監視委 第17回制度設計・監視専門会合 資料3『需給調整市場の運用等について』系統用蓄電池は、需給調整市場(特に三次調整力②・二次調整力①等)で揚水発電と供給力・調整力を競合する。したがって、12月の約定単価の全エリア低下という価格形成の動きと、揚水随意契約のエリア別運用状況は、蓄電池の需給調整市場における収益環境を読み解く材料となる。市場の価格水準(資料3)と市場外で確保される調整力の量(資料4・5系)の双方を見て、収益見通しを点検する必要がある。
蓄電池事業者の実務対応
価格動向と募集量の前提を、収益見通しに反映する。
- 需給調整市場の約定単価の低下傾向(12月の三次調整力②の全エリア低下)を、需給調整市場における収益見通し・入札戦略に反映して点検する。
- 揚水随意契約のエリア別運用状況を、自社が参加するエリアの募集量・約定機会の前提として確認する。
- 資料3の2026年度の地域間連系線確保量を、広域的に調整力を提供する場合の前提条件として確認する。
- 資料3のエリア別データ(平均・最高・最低約定単価、想定費用、約定量/2025年4月1日〜2026年1月10日)を、自社の応札実績と突き合わせて価格水準の位置を把握する。
読者別の緊急度
需給調整市場の収益環境の動向として把握しておく。
収益見通し・競合分析の材料として押さえる。
需給調整市場の価格形成・揚水随契は収益見通しに直結。
よくある質問(Q&A)
第17回制度設計・監視専門会合ではどの資料が示されましたか?
電力・ガス取引監視等委員会が2026年1月30日に開催した第17回制度設計・監視専門会合では、資料3『需給調整市場の運用等について』、資料4『2025年度揚水随契運用状況』、資料5-1〜5-5(中部・東北・関西・北海道・東京の各エリアにおける揚水随意契約)が提示されました。
12月の三次調整力②の約定単価はどう動きましたか?
12月の前日取引(三次調整力②)の平均約定単価は全エリアで前月比低下しました。最高約定単価も北海道・中国・四国以外のエリアで前月比低下し、特に東北が195円から36円、中部が200円から24.66円、北陸が200円から4.54円、関西が200円から6.66円と大きく低下しています。
資料3ではどの期間のデータが整理されていますか?
資料3では、1月中旬までの需給調整市場の動きとして、エリア別の平均約定単価・最高約定単価・最低約定単価・想定費用・約定量の推移が2025年4月1日から2026年1月10日までの期間で整理されています。あわせて2026年度における需給調整市場の地域間連系線の確保量についても整理されています。
揚水随意契約は需給調整市場にどう影響しますか?
会合資料では、揚水発電の随意契約締結に伴う募集量の見直しが、需給調整市場(三次調整力②)の約定量・想定費用に与える影響を点検しています。市場外で確保される揚水の調整力が募集量を縮小させる構造にあるため、需給調整市場に参加する事業者の約定機会に関わります。
系統用蓄電池にとってこの資料の意味は何ですか?
系統用蓄電池は需給調整市場(特に三次調整力②・二次調整力①等)で揚水発電と供給力・調整力を競合します。したがって、12月の約定単価の全エリア低下という価格形成の動きと、揚水随意契約のエリア別運用状況は、蓄電池の需給調整市場における収益環境を読み解く材料になります。
2026年度の地域間連系線確保量はなぜ重要ですか?
資料3では2026年度における需給調整市場の地域間連系線の確保量が整理されています。連系線の確保量はエリアをまたぐ調整力の流通量に関わるため、広域的に調整力を提供する場合の前提条件となります。
編集部の見立て(独自分析)
独自分析
- 12月の三次調整力②の最高約定単価が中部200→24.66円、関西200→6.66円等と大きく低下したことは、需給調整市場の価格ボラティリティの低下を示す。蓄電池にとっては、価格変動を取りにいく収益機会が縮小する局面と読める。
- 揚水随意契約のエリア別運用(中部・東北・関西・北海道・東京)は、市場外で確保される調整力が需給調整市場の募集量を縮小させる構造を示す論点である。市場価格だけを見ていると、約定機会そのものの増減を見落としやすい。
- 2026年度の地域間連系線確保量の整理は、全商品の前日取引化(2026年度)と併せて読むべき前提条件であり、エリアをまたぐ調整力提供の余地に関わる。
※本ブロックは会合資料に記載された事実に基づく編集部の見立てであり、確定情報でも、監視委の評価・結論でもありません(2026年7月時点)。揚水随意契約に関する個別事業者の主張・見解は本記事の依拠資料の範囲では確認していません。
この記事のまとめ
電力・ガス取引監視等委員会は2026年1月30日に開催した第17回制度設計・監視専門会合において、資料3『需給調整市場の運用等について』、資料4『2025年度揚水随契運用状況』、資料5-1〜5-5(中部・東北・関西・北海道・東京の各エリアにおける揚水随意契約)を提示した。資料3では、1月中旬までの需給調整市場の動きとして、12月の前日取引(三次調整力②)の平均約定単価が全エリアで前月比低下したこと、最高約定単価も北海道・中国・四国以外のエリアで前月比低下し、特に東北195円→36円、中部200円→24.66円、北陸200円→4.54円、関西200円→6.66円と大きく低下したことが報告された。あわせてエリア別の平均・最高・最低約定単価、想定費用、約定量の推移(2025年4月1日〜2026年1月10日)と、2026年度における需給調整市場の地域間連系線の確保量が整理されている。資料4・資料5系では2025年度の揚水随意契約の運用状況がエリア別に報告され、揚水発電の随意契約締結に伴う募集量の見直しが需給調整市場(三次調整力②)の約定量・想定費用に与える影響が点検された。系統用蓄電池は三次調整力②・二次調整力①等で揚水発電と競合するため、価格形成の動向と市場外調達の状況を併せて収益見通しを点検する必要がある。
編集体制
執筆
BESSNEWS編集部
系統用蓄電池の制度・市場・ファイナンスを一次資料に基づき解説する専門編集チーム。
監修
BESS NEWS編集長
系統用蓄電池の制度・系統運用を専門とする社内専門家。本記事の制度記述・数値を確認。
出典(一次情報)
- 電力・ガス取引監視等委員会 制度設計・監視専門会合
https://www.egc.meti.go.jp/activity/index_system.html - 第17回制度設計・監視専門会合(2026年1月30日)資料3『需給調整市場の運用等について』/収録ファイル:20260130_監視委_制度設計監視専門会合第17回_資料3需給調整市場の運用等.pdf
- 同 資料4『2025年度揚水随契運用状況』/収録ファイル:20260130_監視委_制度設計監視専門会合第17回_資料42025年度揚水随契運用状況.pdf
- 同 資料5-1『中部エリア揚水随意契約』/収録ファイル:20260130_監視委_制度設計監視専門会合第17回_資料5-1中部エリア揚水随意契約.pdf
本記事は2026年1月30日開催の第17回制度設計・監視専門会合の配布資料(一次資料)に基づいています。資料5-2〜5-5(東北・関西・北海道・東京の各エリア)も同会合の配布資料です。
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