作成日:2026.09.17
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制度・政策・審議会
※本記事は、作成日または最終更新日時点で公表されている制度情報・数値・資料に基づいて作成しています。
九州の事前相談、12月7日で紙が終わる。10月7日8時にWeb申込が開く
九州で蓄電所をやるなら、系統につなげるかどうかを最初に聞きにいく窓口がある。系統アクセスの事前相談という。その窓口が、2026年10月7日8時からWebに移る。しばらくは紙と併用されるが、九州電力送配電に届いた日が2026年12月8日以降になる郵送・メールは受け付けられない。あわせて公表された別紙には、これまで申込ページのどこにも書かれていなかった一文があった。検討結果は申込から1か月以内に回答する、と。
CONTENTS目次
何が起きたか:九州電力送配電が2026年9月17日、発電設備等系統アクセスの事前相談について「発電設備等系統アクセスの事前相談Web申込」を2026年10月7日から始めると公表した。別紙によれば開始時刻は8時で、対象は高圧・特別高圧。2026年12月7日(同社受領分)までは郵送・メールも使えるが、12月8日以降はWeb申込のみになる。
なぜ重要か:事前相談は、系統用蓄電池が接続検討へ進む前に連系の見通しを得る工程である。九州は蓄電池の申込が多く、接続検討には一事業者8件という上限がすでに適用されている。入口の様式が変わるのに、社内や代行会社の手順が紙のままだと、混み合う窓口の列に並び直すことになる。
何をすべきか:12月8日を締切として申込経路をWebへ切り替える。代行を使っているなら、どちらのメールアドレスで申し込むかを先に決めておく。回答書がそのアドレスへZIPで届くため、受信できる体制も必要になる。
変わるのは経路。3つの日付と1つの時刻
九州電力送配電が2026年9月17日付で出したお知らせは短い。発電設備等系統アクセスの事前相談について、申込者の利便性向上を目的に、2026年10月7日から「発電設備等系統アクセスの事前相談Web申込」を開始する。それだけである。
なお、2026年12月7日(当社受領分)までは郵送またはメールでも受付いたしますが、2026年12月8日以降は「発電設備等系統アクセスの事前相談Web申込」でのお申込のみとさせていただきます。
— 九州電力送配電 2026年9月17日付お知らせ本文に数字はこの2つしかない。ただし添付された別紙を開くと、もう1つ出てくる。表紙に大きく「2026年10月7日(水)8:00~」とある。開始は日付ではなく時刻まで決まっている。朝8時である。
別紙の様式名は「発電設備等の事前相談Web申込(高圧・特別高圧)」。低圧は対象に入っていない。また別紙の注記は、お知らせ本文の期間をもう一度、より実務的な言い方で繰り返している。2026年10月7日から2026年12月7日までは紙面申込とWeb申込のどちらも可、2026年12月8日からはWeb申込のみ可。
整理すると、変わるのは経路であって、事前相談という手続きそのものではない。連系の見通しを聞く工程は残る。出し方が郵送とメールからWebへ寄る。それだけのことなのだが、締切が明示されている以上、社内の申請フローを持っている会社には作業が発生する。
別紙に書いてあった申込の中身
別紙は2ページある。1ページ目が移行の告知と申込画面の見本、2ページ目が利用方法である。手順はこうなっている。
- 申込者のメールアドレスを入力し、利用規約を確認・同意したうえで「利用規約に同意して、メールアドレスを送信する」ボタンを押す
- 入力したメールアドレスに、申込用のリンクが届く
- 届いたメールのリンクをクリックして申込を開始する
- 申込情報(申込者情報、発電設備等情報)を入力する
- 申込後、申込の完了メールが届く
- 検討が完了すると、申込時に入力したメールアドレスへ回答書がZIP形式で届く
アカウントを事前に作る話は出てこない。メールアドレスを入れると、そのアドレス宛に使い捨ての申込リンクが飛ぶ方式に読める。どのメールアドレスで申し込むかが、そのまま回答書の宛先になる。代行会社に任せている案件で、回答を事業者側でも直接受け取りたいなら、ここは先に決めておく必要がある。
入力のしかたで、紙の様式と明確に違う点が2つある。1つは設置場所で、住所を入力すると入力欄の下に地図が出て、そこをクリックして場所を選ぶ。もう1つが希望連系点で、電柱番号や鉄塔番号を入れる欄なのだが、別紙にはこう書かれている。
希望連系点(電柱番号や鉄塔番号)を入力。「分からない」を選択すると、自動で最寄りの連系点が特定されます。
— 別紙 2ページ目特定された連系点は回答書で知らされる。用地は押さえたが最寄りの電柱番号までは調べきれていない、という段階でも申し込める形になっている。紙の申込書で連系点を空欄のまま出せたかどうかは公表資料からは分からないが、少なくともWeb側には明示的な逃げ道が用意された。
問い合わせ先も別紙に載っている。再エネコールセンター、050-6622-2020、受付は9時から17時まで、土日祝と年末年始は除く。事前相談の窓口が再エネのコールセンターに置かれている点は、この手続きがもともと再エネ設備の受付業務の系譜にあることを示している。
「お申込みから1か月以内に回答」という一文
別紙1ページ目の下部に、小さな注記がある。
事前相談の検討結果は、お申込みから1か月以内に回答いたします
— 別紙 1ページ目 注記本稿の執筆にあたって、九州電力送配電の現行の申込ページ2本――発電事業者さま向けの「各種お申し込み」と、高圧・特別高圧の再エネ設備向けの「申込方法・申込書類」――の本文を取得して機械的に走査した。どちらにも回答期間を示す記載は見当たらなかった。事前相談の申込書と回答書の様式は置かれているが、いつまでに返すかは書かれていない。
この1か月という表記は、今回の別紙で確認できたものである。従来の運用が1か月より長かったのか短かったのかは公表されておらず、処理期間が短縮されたのかどうかは未確認である。お知らせ本文にも別紙にも、審査の迅速化を掲げた記述はない。Web化と処理の高速化を結びつけて読まないほうがよい。
とはいえ、期間が明示されたこと自体には意味がある。事前相談の回答を待つあいだ、事業者側は接続検討へ進むかどうかを決められない。その待ち時間に上限が書かれたのだから、案件スケジュールの前提として使える。10月7日以降に申し込む案件では、申込日プラス1か月を接続検討の判断時期として置ける。
「当社受領分」は投函日ではない
紙で出す最後の機会を使うつもりの案件には、注意点が1つある。お知らせが書いているのは「2026年12月7日(当社受領分)まで」であって、12月7日までに発送すれば良い、とは書かれていない。基準は九州電力送配電に届いた日である。
現行の事前相談は、受付業務を実施している配電事業所の託送受付係宛に、書留またはレターパックで郵送する運用になっている。メールでの提出も可能だが、提出先は事前相談専用で、同じアドレスに他の申込や問い合わせを送っても対応されない。
12月7日は月曜である。郵便の配達日数を考えると、12月上旬に投函して届くのが8日以降になる、という事故は十分起こりうる。紙で出すなら11月中に手元を離れているくらいの余裕を見ておきたい。そもそも10月7日からWebが使えるのだから、11月以降にわざわざ紙で出す理由は薄い。
事前相談は任意。それでも九州では軽くない
ここで1つ、正確に押さえておきたいことがある。事前相談は必須の手続きではない。九州電力送配電の申込書類ページでは、この工程の書類がはっきり「事前相談(任意)の申込書類」と見出しづけられている。飛ばして接続検討へ進むこともできる。
それでも九州では軽く扱えない。理由は、その先にある接続検討の混み具合にある。同社の発電事業者さま向けページには、一事業者あたりの接続検討数の上限が2026年8月1日から運用されていること、そして九州電力送配電管内の上限は8件であることが書かれている。さらに、上限適用の説明にはこんな一文がある。
当社管内において多数の蓄電池のお申込みをいただいております。受付に向けて順次確認を進めておりますが、申込み状況を踏まえると、2026年7月31日までに受付に至らない申込みが発生する見込みです。
— 九州電力送配電「各種お申し込み」ページ蓄電池の申込が多い、と一般送配電事業者が自社のページで書いている。そのうえで、8月1日時点で接続検討の受付済みが8件以上ある事業者は、受付に至っていない申込がすべて無効になるという扱いが示されている。8件未満の場合も、申込日の早い順に上限まで受け付け、超えた分は無効になる。
接続検討の枠が8件しかなく、その枠を無駄撃ちできないのなら、どの案件を枠に入れるかを先に選別する必要がある。事前相談は、接続検討料をかけずにその判断材料を得られる工程である。制度上は任意でも、運用上は選別のための道具として効く。
蓄電池はどの入口から入るのか
九州電力送配電のサイトでは、再エネ設備の申込と、系統用蓄電池のような送配電買取以外の申込とで、案内ページが分かれている。高圧・特別高圧の再エネ設備のページには「系統用蓄電池での系統連系など、FIT送配電買取以外のお申込みはこちら」というリンクが置かれ、発電事業者さま向けの「各種お申し込み」へ送られる。事前相談の申込書はどちらのページにも置かれており、様式は同じものである。
今回のお知らせは電源種別を限定していない。別紙の様式名も「発電設備等の事前相談Web申込(高圧・特別高圧)」で、発電設備等という括りのままである。接続検討申込書の記載例が「太陽光・系統用蓄電池・蓄電池併設」という名前で並んでいることからも、系統用蓄電池がこの一連の手続きに乗ることは明らかである。したがって高圧・特別高圧の系統用蓄電池は今回の対象に含まれると読める。ただし、お知らせ本文が蓄電池を名指ししているわけではない。
1つ補足しておく。本稿の執筆時点で、この2本の申込ページの本文には「Web申込」という文字列がまだ無い。告知はお知らせ欄に出ているが、申込ページ側の案内はこれから更新されるとみられる。10月7日前後に申込ページを見て「Webの案内が無いから始まっていない」と判断しないほうがよい。開始の根拠はお知らせと別紙にある。
よくある質問
Q1. 系統用蓄電池も対象ですか。
Q2. 12月7日までに郵便局へ出せば間に合いますか。
Q3. Web申込にアカウント登録や電子証明書は必要ですか。
Q4. 事前相談は必ず出さないといけないのですか。
Q5. 回答までどれくらいかかりますか。
Q6. 希望連系点が分からなくても申し込めますか。
Q7. すでに紙で出している案件はどうなりますか。
編集部の見立て
- この告知でいちばん実務に効くのは、経路の一本化ではなく別紙の注記のほうである。「1か月以内に回答」は、事前相談を案件スケジュールの中に日数として組み込める材料になる。申込ページに書かれていなかった数字が案内資料に載った、という形なので見落とされやすい。お知らせ本文だけを読んで終える運用だと拾えない。
- 連系点の「分からない」を選べる設計は、地図クリックでの場所指定と合わせて、事前相談のハードルを下げる方向に働く。ハードルが下がれば申込は増える。九州はすでに蓄電池の申込が多いと同社自身が書いているエリアであり、接続検討には8件の上限がかかっている。入口が広がって出口が絞られたままなら、事前相談の段階で案件を選別する重要性はむしろ上がる。
- 他の一般送配電事業者の事前相談の申込経路に同様の変更があったという公表は、本日時点では確認していない。全国で案件を持つ事業者は、しばらくエリアごとに申込経路が違う期間を抱えることになる。社内の申請手順書をエリア共通で書いている会社ほど、書き分けの作業が要る。
10月7日までにやること
| # | アクション | 目安 |
|---|---|---|
| 1 | 九州エリアで事前相談を予定している案件を洗い出し、紙で出すものとWebで出すものを仕分ける | 10月上旬 |
| 2 | Web申込に使うメールアドレスを決める。代行会社に委託している場合は、回答書のZIPを誰が受け取り誰へ渡すかまで決めておく | 10月上旬 |
| 3 | Web申込の開始後すみやかに入力項目と利用規約を確認し、社内の申請手順書へ反映する | 10月中旬 |
| 4 | 紙で出す案件があれば、同社に届く日から逆算して発送する。到達日が締切である点を関係者に共有する | 11月中 |
| 5 | 接続検討8件の上限の消化状況を棚卸しし、事前相談の結果をどの案件の枠投入判断に使うかを整理する | 11月中 |
編集体制と事実確認プロセス
BESS NEWSの記事はこう作っています
- BESS NEWSは一次情報主義を採ります。官公庁・電力広域的運営推進機関・一般送配電事業者・執行団体が自ら公表した文書とページのみを出典とし、業界紙・ニュースサイト・プレスリリース配信の二次情報は出典に用いません。
- 本稿の数値・引用は、九州電力送配電のお知らせ本文、添付された別紙PDF(2ページ)、および同社の申込案内ページ2本を取得し、本文から該当箇所を特定して突合しています。対照結果は「数値照合表」に示しました。
- 「現行ページに回答期間の記載が無い」「申込ページにまだWeb申込の記載が無い」という記述は、本稿執筆時点で当該ページの本文を取得し、文字列を機械的に走査して件数を数えた結果にもとづきます。ページは随時更新されるため、閲覧時点では異なる場合があります。
- 記載が見当たらない事項は「未確認」と明記し、推測で埋めません。本稿では、受付済み案件の扱い、移行期間中の重複申込の可否、利用規約の本文と入力項目の全体、従来の回答期間の実績がこれに当たります。
- 接続検討の枠の使い方や案件選別についての記述は、一次情報の事実にもとづく編集部の解釈です。確定的な見通しではありません。
数値照合表
本文に出した主要な事実を、一次情報の該当箇所と1対1で対照した表である。
| # | 項目 | 本文の値 | 一次情報(出典・該当箇所) |
|---|---|---|---|
| 1 | Web申込の開始日 | 2026年10月7日 | お知らせ 本文 |
| 2 | Web申込の開始時刻 | 8:00 | 別紙 1ページ目 表題 |
| 3 | 郵送・メールの最終受領日 | 2026年12月7日(当社受領分) | お知らせ 本文 |
| 4 | Web申込のみとなる日 | 2026年12月8日以降 | お知らせ 本文/別紙 1ページ目 注記1 |
| 5 | 対象の電圧区分 | 高圧・特別高圧 | 別紙 様式名「発電設備等の事前相談Web申込(高圧・特別高圧)」 |
| 6 | 検討結果の回答期間 | お申込みから1か月以内 | 別紙 1ページ目 注記2 |
| 7 | 回答書の受領方法 | メールでZIP形式 | 別紙 1ページ目・2ページ目 |
| 8 | 連系点が不明な場合 | 「分からない」を選ぶと最寄りの連系点を自動特定し、回答書で通知 | 別紙 2ページ目 |
| 9 | 問い合わせ窓口 | 再エネコールセンター 050-6622-2020(9時〜17時) | 別紙 2ページ目 |
| 10 | 事前相談の位置づけ | 任意の手続き | 申込方法・申込書類「事前相談(任意)の申込書類」 |
| 11 | 現行の提出先 | 配電事業所 託送受付係宛に郵送(書留・レターパック)またはメール | 申込方法・申込書類 事前相談の欄 |
| 12 | 接続検討数の上限(九州) | 一事業者あたり8件 | 各種お申し込み 接続検討の欄 |
| 13 | 同社による申込状況の説明 | 「当社管内において多数の蓄電池のお申込みをいただいております」 | 各種お申し込み 上限適用の説明 |
| 14 | 事前相談申込書の様式 | 2024年8月1日更新版が現行 | 各種お申し込み 発電設備等事前相談の欄 |
出典(一次情報)
- 九州電力送配電「発電設備等に関する事前相談についてWeb申込を開始します。」(2026年9月17日 公表)
- (別紙)発電設備等系統アクセスの事前相談Web申込について(上記お知らせの添付・PDF)
- 九州電力送配電「各種お申し込み(発電事業者さま)」(接続検討数の上限は2026年7月24日 掲載)
- 九州電力送配電「申込方法・申込書類(高圧・特別高圧の再エネ設備)」
※二次情報(業界紙・ニュースサイト・プレスリリース配信)は出典に用いていません。出典3・4は随時更新されるページであり、本稿は執筆時点で取得した本文にもとづきます。
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