作成日:2026.02.06
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制度・政策・審議会
※本記事は、作成日または最終更新日時点で公表されている制度情報・数値・資料に基づいて作成しています。
接続検討で蓄電池が太陽光を逆転し66%に ― OCCTO『発電設備等系統アクセス業務に係る情報の取りまとめ(2024年度受付・回答分)』
2024年度の系統アクセス業務実績で、接続検討の電源種別受付件数(全国14,391件)に占める蓄電池の比率が66%(9,544件)と前年度24%から急増し、太陽光30%を逆転して最大となった。契約申込みでも蓄電池が38%と太陽光に次ぐ規模となっている。系統連系を狙う案件の主役が太陽光から蓄電池へ交代したことを、国の一次統計が件数で裏づけた。
このページの要点
- OCCTOが業務規程第181条に基づき公表する、2024年度(2024年4月〜2025年3月)の発電設備等系統アクセス業務(事前相談・接続検討・契約申込み)の受付・回答実績の取りまとめ。
- 接続検討の電源種別受付件数(全国14,391件)は、前年度が太陽光65%・蓄電池24%だったのに対し、2024年度は蓄電池66%(9,544件)・太陽光30%(4,341件)と逆転し、蓄電池が最大の比率となった。
- 契約申込みの電源種別受付でも蓄電池が38%(1,016件、前年度8%)と急増し太陽光51%に次ぐ規模に。接続検討の標準期間(3か月)超過は全体の0.3%(40件)にとどまった。
出典:OCCTO『発電設備等系統アクセス業務に係る情報の取りまとめ(2024年度受付・回答分)』(2025年6月版)。
系統という「高速道路への入口申請」の窓口受付簿で、2024年度は申請の3分の2が蓄電池だった。長年トップだった太陽光を件数で抜き、系統連系を狙う案件の主役交代が国の一次データで確認できる。
OCCTO系統アクセス業務の取りまとめとは|3段階の手続きと集計の枠組み
系統連系の入口となる手続きが、どれだけ・どの電源から申し込まれたかを示す国の一次統計である。
本資料は、電力広域的運営推進機関(OCCTO)が業務規程第181条の規定に基づき公表した、2024年度(2024年4月〜2025年3月)の発電設備等系統アクセス業務に係る受付・回答実績の取りまとめ(2025年6月版)である。対象は最大受電電力500kW以上の案件で、事前相談・接続検討・契約申込みの3段階について、広域機関および一般送配電事業者別の受付件数・回答件数・電源種別・検討期間・未回答案件の状況が集計されている。
なお、2024年8月1日から広域機関の系統アクセス業務が一部見直され、事前相談は一般送配電事業者への申込みに変更されている。2024年度は制度運用の変更を挟んだ年度であり、段階ごとの件数を読む際にはこの点を前提に置く必要がある。
蓄電池が接続検討の66%に|太陽光を逆転した電源種別比率の変化
最大の注目点は、接続検討の電源種別比率が1年で入れ替わったことである。
図1:接続検討の電源種別受付比率 ― 蓄電池66%が太陽光30%を逆転(2024年度・全国14,391件)
出典:OCCTO『発電設備等系統アクセス業務に係る情報の取りまとめ(2024年度受付・回答分)』(2025年6月版)。
2024年度の接続検討の電源種別受付(全国合計)は、蓄電池9,544件(66%)、太陽光4,341件(30%)、風力215件(2%)、一般水力138件(1%)であった。前年度(2023年度)は太陽光4,414件(65%)・蓄電池1,599件(24%)であり、蓄電池が太陽光を逆転して最大比率となった。
受付件数の総量そのものも大きく増えている。接続検討受付件数の合計は前年度6,753件から2024年度14,391件へ約2.1倍に増加した。エリア別では東京PG・東北NW・中部PG・九州送配で特に増加している。
太陽光の件数自体は4,414件から4,341件へほぼ横ばいであり、比率の逆転は太陽光の減少ではなく蓄電池の急増によって生じている。系統アクセスの窓口に持ち込まれる案件の絶対量が増え、その増分の大半を蓄電池が占めた構図である。
契約申込みと検討期間の実績|連系契約段階でも蓄電池が顕在化
接続検討という「入口」だけでなく、契約段階にも蓄電池案件が到達し始めている。
図2:契約申込みの電源種別受付と接続検討の検討期間実績(2024年度)
出典:同取りまとめ。件数・比率はいずれも一次資料の記載による。対象は最大受電電力500kW以上の案件。
契約申込みの電源種別受付は、太陽光1,381件(51%)、蓄電池1,016件(38%)、一般水力122件(5%)であった。蓄電池は前年度150件(8%)であり、契約段階でも急伸している。接続検討段階だけでなく、実際の連系契約段階でも蓄電池案件が顕在化していることが確認できる。
申込みが急増する一方で、回答の遅延は限定的である。接続検討の検討期間は、送配電等業務指針第86条の標準期間(原則3か月)に対し、3か月以内が99.7%(11,692件)、超過が0.3%(40件)にとどまった。超過理由は受付者都合が中心で、E.受付者都合(受付・検討不備)が43%、D.受付者都合(特殊検討・検討量大)が32%を占める。2024年度末時点で回答予定日を超過し検討継続中(未回答)の案件は17件であった。
接続検討の検討期間は、送配電等業務指針第86条の標準期間(原則3か月)に対し、3か月以内が99.7%(11,692件)、超過は0.3%(40件)。超過理由は受付者都合(受付・検討不備、特殊検討・検討量大)が中心。
— 発電設備等系統アクセス業務に係る情報の取りまとめ(2024年度受付・回答分)連系ラッシュ下の系統混雑リスクと蓄電池の立地戦略
申込みが集中するほど、立地選定と申込みの巧拙が事業性を左右する。
系統用蓄電池の系統連系申込みが太陽光を上回り接続検討の主役となったことを、国の一次統計が定量的に裏づけた点で本取りまとめの意味は大きい。接続検討受付の約2.1倍増・蓄電池比率66%は、空容量・系統増強・出力制御リスクなど、蓄電池の立地戦略と事業性評価に直結する需給環境の変化を示している。検討期間が99.7%で標準3か月以内に収まっている一方、申込集中による系統混雑や接続可能容量の逼迫が今後の連系可否を左右するため、立地選定と早期申込みの重要性が高まる。
- 蓄電池開発事業者は、本統計のエリア別受付件数を踏まえ、申込集中エリアでの系統混雑・接続可能容量の逼迫リスクを立地選定に織り込む。
- 接続検討の標準期間(原則3か月)と超過理由(受付・検討不備、特殊検討)を踏まえ、申込書類の精度を高め早期に手続きを開始する。
- 蓄電池の連系ラッシュを前提に、空容量公表・系統増強計画(マスタープラン)・ノンファーム型接続の動向を継続的にモニタリングする。
読者別の緊急度
蓄電池が系統連系申込みの主役になった構造変化を今月中に把握し、市場規模認識を更新したい。
開発・立地担当は申込集中エリアの系統混雑リスクを今月中に確認したい。
連系ラッシュ下での空容量・接続可能容量の逼迫を立地戦略に直ちに反映したい。
よくある質問(Q&A)
接続検討で蓄電池はどのくらいの比率を占めましたか?
2024年度の接続検討の電源種別受付件数(全国合計14,391件)のうち、蓄電池は9,544件で66%を占め最大の比率となりました。太陽光は4,341件で30%、風力は215件で2%、一般水力は138件で1%です。
前年度(2023年度)と比べて何が変わりましたか?
2023年度の接続検討は太陽光が4,414件で65%、蓄電池が1,599件で24%でした。2024年度は蓄電池66%・太陽光30%と順位が逆転しています。接続検討の受付件数合計も6,753件から14,391件へ約2.1倍に増加し、エリア別では東京PG・東北NW・中部PG・九州送配で特に増加しました。
契約申込みの段階でも蓄電池は増えていますか?
2024年度の契約申込みの電源種別受付は、太陽光1,381件(51%)、蓄電池1,016件(38%)、一般水力122件(5%)です。蓄電池は前年度の150件(8%)から拡大しており、接続検討段階だけでなく実際の連系契約段階でも蓄電池案件が顕在化していることが確認できます。
接続検討の回答は標準期間内に収まっていますか?
送配電等業務指針第86条の標準期間(原則3か月)に対し、3か月以内の回答が99.7%(11,692件)、超過は0.3%(40件)でした。超過理由はE.受付者都合(受付・検討不備)が43%、D.受付者都合(特殊検討・検討量大)が32%と中心です。2024年度末時点で回答予定日を超過し検討継続中(未回答)の案件は17件でした。
この取りまとめはどのような資料ですか?
OCCTOが業務規程第181条の規定に基づき公表する、2024年度(2024年4月〜2025年3月)の発電設備等系統アクセス業務(最大受電電力500kW以上の案件が対象)に係る受付・回答実績の取りまとめ(2025年6月版)です。事前相談・接続検討・契約申込みの3段階について、広域機関および一般送配電事業者別の受付件数・回答件数・電源種別・検討期間・未回答案件の状況を集計しています。
蓄電池の開発担当は何を確認すべきですか?
第一に、本統計のエリア別受付件数を踏まえ、申込集中エリアでの系統混雑・接続可能容量の逼迫リスクを立地選定に織り込むことです。第二に、接続検討の標準期間(原則3か月)と超過理由(受付・検討不備、特殊検討)を踏まえ、申込書類の精度を高めて早期に手続きを開始することです。第三に、空容量公表・系統増強計画(マスタープラン)・ノンファーム型接続の動向を継続的にモニタリングすることです。
編集部の見立て(独自分析)
独自分析
- 接続検討の電源種別で蓄電池が前年度24%から66%へ急伸し太陽光を逆転した事実は、系統用蓄電池の開発ラッシュを示す最も直接的な国の一次データであり、市場規模の議論で引用価値が高い。
- 接続検討受付件数が前年度比約2.1倍(6,753→14,391件)に膨らんだことは、特定エリア・特定系統での申込集中=系統混雑リスクの増大を示唆する。空容量や系統増強計画の確認が立地戦略の要となる。
- 契約申込みでも蓄電池が38%(150→1,016件)へ拡大しており、接続検討段階だけでなく実際の連系契約段階でも蓄電池案件が顕在化していることが確認できる。
※本ブロックは一次資料の事実に基づく編集部の見立てであり、確定情報ではありません(2026年7月時点)。件数・比率はいずれも取りまとめ記載値を引用しています。
この記事のまとめ
OCCTOが業務規程第181条に基づき公表した2024年度(2024年4月〜2025年3月)の発電設備等系統アクセス業務の取りまとめ(2025年6月版)では、接続検討の電源種別受付件数(全国14,391件)のうち蓄電池が9,544件・66%を占め、太陽光4,341件・30%を逆転して最大比率となった。前年度は太陽光65%(4,414件)・蓄電池24%(1,599件)であり、受付件数合計も6,753件から約2.1倍に増えている。契約申込みでも蓄電池は前年度150件(8%)から1,016件(38%)へ拡大し、太陽光1,381件(51%)に次ぐ規模となった。接続検討の検討期間は標準期間(原則3か月)以内が99.7%(11,692件)、超過0.3%(40件)で、2024年度末時点の未回答は17件。系統連系を狙う案件の主役が蓄電池へ交代したことを国の一次統計が定量的に裏づけた一方、申込集中による系統混雑・接続可能容量の逼迫が今後の連系可否を左右するため、立地選定と早期申込みの重要性が高まる。
編集体制
執筆
BESSNEWS編集部
系統用蓄電池の制度・市場・ファイナンスを一次資料に基づき解説する専門編集チーム。
監修
BESS NEWS編集長
系統用蓄電池の制度・系統運用を専門とする社内専門家。本記事の制度記述・数値を確認。
出典(一次情報)
- 電力広域的運営推進機関(OCCTO)
https://www.occto.or.jp/ - OCCTO『発電設備等系統アクセス業務に係る情報公表について(2024年度受付・回答分)』(PDF・1,016KB/2026年2月6日確認)
ファイル名:20260206_OCCTO_発電設備等系統アクセス業務に係る情報公表について(2024年度受付・回答分)(1016KB).pdf
本記事の件数・比率はすべて上記一次資料の記載に基づいています。取りまとめは2025年6月版で、対象は最大受電電力500kW以上の案件です。
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