作成日:2026.05.11
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制度・政策・審議会
※本記事は、作成日または最終更新日時点で公表されている制度情報・数値・資料に基づいて作成しています。
四国送配電の「系統用蓄電池向け土地貸付」公募 ― 東予変電所等用地・応募条件と三重の系統制約を読み解く
四国電力送配電は、変電所等用地(社有地)に周波数変動抑制機能付き系統用蓄電池を設置・運用する事業者を公募する募集要綱(全15ページ)を公表した。応募期間は2026年5月11日〜10月30日。土地・連系点を一体で確保できる希少な事業機会である一方、ノンファーム型接続・遠隔放電抑制・N-1充電停止・余力活用契約という条件が事業性を左右する。
このページの要点
- 募集地点は東予変電所等用地(愛媛県四国中央市土居町上野・敷地面積14,076m²=構内7,229m²+構外6,551m²)。応募期間は2026年5月11日〜10月30日(当日消印有効・1応募事業者あたり1件)。
- 目的は再エネ出力制御量の低減と、特定の系統状況下での周波数品質の維持。設置する蓄電池には周波数変動抑制機能が求められる。
- 系統条件として、ノンファーム型接続(混雑時の出力制御)、需給バランス制約時の遠隔制御による放電抑制、充電側制約系統へのN-1充電停止装置、容量市場連動の余力活用契約が明記された。
出典:四国電力送配電『周波数変動抑制機能付き 系統用蓄電池向けの土地貸付に係る募集要綱』(2026年5月11日・全15ページ)。
送配電会社が自社の変電所の空き地を「蓄電池を置いてくれる事業者」に貸し出す公募である。土地・連系点込みでBESSを設置できる希少な機会だが、ノンファーム接続や出力制御・充電制約などの条件付きである。
系統用蓄電池 土地貸付公募の全体像 ― 募集地点とスケジュール
変電所等用地(社有地)の貸付により、用地確保と系統アクセスを一体で得られる公募である。
図1:土地貸付公募の全体像 ― 東予変電所等用地・敷地面積14,076m²・応募スケジュール
出典:四国電力送配電『周波数変動抑制機能付き 系統用蓄電池向けの土地貸付に係る募集要綱』(2026年5月11日・全15ページ)。
四国電力送配電は、再エネの出力制御量の低減効果が期待され、特定の系統状況下での電力需給変動時にも周波数品質を維持できる機能を有する系統用蓄電池を導入したいとして、変電所等用地の一部(社有地)に蓄電池を設置・運用する事業者(蓄電池事業者)を公募する。
募集地点は東予変電所等用地(愛媛県四国中央市土居町上野)で、敷地面積は14,076m²(変電所構内設置用7,229m²+構外設置用6,551m²)である。
設備・機能要件と落札者選定・土地賃貸借契約
「周波数変動抑制機能付き」が必須要件。賃貸借には保証金・使用制限の規定がある。
募集要綱は、募集目的・スケジュール・募集対象・設備機能の条件・落札者選定・評価項目・接続検討・系統接続契約申込・土地賃貸借契約・SPC特則等を規定する。設置する蓄電池は周波数変動抑制機能を有することが求められ、単なるアービトラージ用蓄電池ではなく、系統の周波数品質維持に資する機能が要件となる。
土地賃貸借契約では、蓄電池事業以外での使用禁止、権利譲渡・無断転貸の禁止が定められ、保証金として土地賃借料3ヶ月分相当額+工作物撤去費用相当額(1万円/m²×賃貸借面積)の預入が必要である。SPC(特別目的会社)による運営は事前承認制となる。
落札者は接続検討の回答受領後20営業日以内に系統接続契約の申込みを行う。土地賃貸借契約では、蓄電池事業以外での使用、権利の譲渡・無断転貸を禁止し、保証金(賃借料3ヶ月分相当額および工作物撤去費用相当額)の預入を求める。
— 募集要綱(要旨)系統条件 ― ノンファーム・遠隔放電抑制・N-1充電停止・余力活用契約と事業性
出力側・放電側・充電側の三重の制約が、稼働率と収益の前提を規定する。
図2:出力・放電・充電の三重の制約 ― ノンファーム型接続・遠隔放電抑制・N-1充電停止と余力活用契約
出典:同募集要綱(2026年5月11日)留意事項。
留意事項として、次の系統条件が明記されている。
① ノンファーム型接続
基幹系統・ローカル系統にノンファーム型接続が適用され、系統混雑時には出力制御される場合がある。
② 遠隔制御による放電抑制
需給バランス制約による出力制御発生時、優先給電ルールに基づき同社からの遠隔制御で放電出力を抑制する場合があり、抑制機能を有する設備の設置等の対策が必要。
③ N-1充電停止装置
充電側の送電容量制約がある系統にはN-1充電停止装置を設置する等により早期接続を図る。
④ 余力活用契約
周波数品質維持を目的とした余力活用に関する契約を締結。容量市場で調整機能有で落札した電源は実需給前年度12月末までに締結する。
これらの条件は、稼働率・収益の前提として出力制御・充電制約の頻度想定が決定的に重要になることを意味する。再エネ出力制御低減に向けた系統用蓄電池の活用への協力も求められる。
実務チェックリスト
- 募集要綱の設備・機能要件(周波数変動抑制機能)・評価項目・系統条件を精査し、東予変電所等用地への応募(2026年10月30日まで)を検討する。
- ノンファーム型接続・遠隔放電抑制・N-1充電停止の頻度を想定した事業性・収益試算を行う。
- 容量市場参加(調整機能有)と余力活用契約の締結時期(実需給前年度12月末)を事業計画・契約スケジュールに織り込む。
読者別の緊急度
土地貸付公募という事業機会の出現を今月中に把握しておきたい。
周波数変動抑制機能・抑制機能・N-1充電停止等の要件を今週中に確認すべき。
応募検討・事業性試算のため、直ちに押さえるべき。
よくある質問(Q&A)
応募期間はいつまでですか?
2026年5月11日から10月30日まで(当日消印有効)です。1応募事業者あたり1件までで、落札者は接続検討回答の受領後20営業日以内に系統接続契約の申込みが必要です。
募集地点はどこですか?
東予変電所等用地(愛媛県四国中央市土居町上野)です。敷地面積は14,076m²で、変電所構内設置用7,229m²と構外設置用6,551m²で構成されます。
どのような蓄電池が求められますか?
周波数変動抑制機能付きの系統用蓄電池です。再エネ出力制御量の低減と、特定の系統状況下での周波数品質維持が導入目的とされています。
系統接続にはどのような制約がありますか?
基幹・ローカル系統へのノンファーム型接続適用(混雑時の出力制御)、需給バランス制約時の遠隔制御による放電抑制(抑制機能設備が必要)、充電側制約系統でのN-1充電停止装置の設置等が明記されています。
余力活用契約とは何ですか?
周波数品質維持を目的として同社と締結する契約です。容量市場で調整機能有で落札した電源は、実需給前年度12月末までに締結する必要があります。
土地賃貸借の保証金はいくらですか?
土地賃借料3ヶ月分相当額に加え、工作物撤去費用相当額(1万円/m²×賃貸借面積)の預入が必要です。蓄電池事業以外での使用や権利譲渡・無断転貸は禁止され、SPCによる運営は事前承認制です。
編集部の見立て(独自分析)
独自分析
- 「周波数変動抑制機能付き」が必須要件で、単なるアービトラージ用ではなく系統の周波数品質維持に資する蓄電池を求める設計である。余力活用契約により同社が蓄電池を最大限活用する構図といえる。
- ノンファーム型接続+遠隔放電抑制+充電側制約(N-1充電停止)という三重の出力・充電制約があり、制約頻度の想定が事業性評価の決定的な鍵となる。
- 土地は社有地(変電所構内・構外)で連系点に近接し、用地確保と系統アクセスを一体で得られる点が事業上の大きな利点である。
※本ブロックは一次資料の事実に基づく編集部の見立てであり、確定情報ではありません(2026年7月時点)。
この記事のまとめ
四国電力送配電は、東予変電所等用地(敷地面積14,076m²)に周波数変動抑制機能付き系統用蓄電池を設置・運用する事業者を公募する(応募2026年5月11日〜10月30日・1事業者1件)。土地・連系点を一体で確保できる希少な事業機会である一方、ノンファーム型接続による混雑時出力制御、需給バランス制約時の遠隔放電抑制、N-1充電停止装置、容量市場連動の余力活用契約(調整機能有落札は実需給前年度12月末までに締結)という条件が事業性の前提となる。保証金は賃借料3ヶ月分+撤去費用相当額(1万円/m²×面積)である。
編集体制
執筆
BESSNEWS編集部
系統用蓄電池の制度・市場・ファイナンスを一次資料に基づき解説する専門編集チーム。
監修
BESS NEWS編集長
系統用蓄電池の制度・系統運用を専門とする社内専門家。本記事の制度記述・数値を確認。
出典(一次情報)
- 四国電力送配電株式会社『周波数変動抑制機能付き 系統用蓄電池向けの土地貸付に係る募集要綱』(2026年5月11日・全15ページ)
https://www.yonden.co.jp/nw/consignment_service/flow/ - 保存済み一次資料PDF:02.04_蓄電池情報/04_系統・接続(送配電・系統増強)/送配電各社/(2026-05-11 四国送配電 土地貸付募集要綱)
本記事は2026年5月11日公表の一次資料のみに基づいています(対象日より後の情報は含みません)。制度内容は今後の審議等で変更される可能性があります。
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