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作成日:2026.09.01

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※本記事は、作成日または最終更新日時点で公表されている制度情報・数値・資料に基づいて作成しています。

90時間の想定に実績155時間
——容量市場のペナルティ計算式が揺らいでいる

90時間の想定に実績155時間——容量市場のペナルティ計算式が揺らいでいる サムネイル

電力広域的運営推進機関(OCCTO)は2026年9月1日の第76回 容量市場の在り方等に関する検討会に、資料5「2025年度包括的検証後の取り組みと各課題における検討の方向性について(電源等区分と需給ひっ迫時に対応するリクワイアメント・ペナルティ)」を提出しました。

この記事を読む価値(容量市場に安定電源として参加する方へ)

この資料に、蓄電池事業者が見落とせない数字の食い違いが1つ含まれています。

安定電源のペナルティレート算定に使うZ時間は現行90時間です。ところが2026年度の実績は7月末時点で約155時間に達しています。想定より65時間も多い状態です。

要旨 ― ひと言でいえば

ペナルティ計算の分母が、現実の稼働要請と合わなくなっている。

  1. 安定電源のペナルティレートZ時間(現行90時間)の在り方が、改めて検討の対象になった。2026年度の低予備率アセスメント対象コマ実績は7月末時点で約155時間とZを既に超えている。
  2. 事務局は「需給実績に応じた都度見直しは本来的性質でない」と留保しつつ、案1から案3を提示した。適用日は未定で、検討段階である。
  3. 電源等区分では、蓄電池は「1日1回以上・連続3時間以上」で安定電源と再確認された。長期脱炭素電源オークションの「1日1回以上連続6時間以上」との差が改めて浮き上がった。
現行のZ時間
90時間
2025年4月に30時間から改定
2026年度の実績
155時間
7月末時点・Zを超過
安定電源の要件(蓄電池)
連続 3時間以上
1日1回以上
発動指令電源のペナルティ割合
13.2% → 1.0%
2024年度 → 2025年度

1. Z時間とは何か——ペナルティ計算の分母

要点まとめ Zが大きいほど1時間あたりの単価は小さい

Z時間がペナルティレートの分母であること、30時間から90時間への推移と実績を示す図
Zの引き上げは事業者側のリスク軽減として働く。想定ペナルティ額を直接左右する変数。
要点

Z時間は、ペナルティ単価を決める割り算の分母にあたる変数です。

Z時間がペナルティ単価に及ぼす向き 容量市場に安定電源として参加すると、需給がひっ迫した際に求められた供給を果たせなかった場合にペナルティが発生する。Z時間はそのペナルティレートの算定に用いる時間数であり、計算式のなかで分母にあたる位置を占める。したがってZが小さいほど1時間あたりのペナルティ単価は大きくなり、Zが大きいほど1時間あたりのペナルティ単価は小さくなる。Zの引き上げは事業者側のリスク軽減として働く。 図1:Z時間は分母。大きくなるほど1時間あたりの単価は小さくなる ペナルティレートの算定 Z時間 = 分母にあたる変数 現行 90時間 Zが小さい 1時間あたりのペナルティ単価は大きくなる Zが大きい 1時間あたりのペナルティ単価は小さくなる
図1:Zの引き上げは事業者側のリスク軽減として働く。
出所:OCCTO 第76回 容量市場の在り方等に関する検討会 資料5(2026年9月1日)

容量市場に安定電源として参加すると、需給がひっ迫した際に求められた供給を果たせなかった場合にペナルティが発生します。

Z時間は、そのペナルティレートの算定に使う時間数です。計算式のなかで分母にあたる位置を占めます。

ここから導かれる関係はシンプルです。Zが大きいほど1時間あたりのペナルティ単価は小さくなり、したがってZの引き上げは事業者側のリスク軽減として働きます。

蓄電池が容量市場に参加するとき、想定ペナルティ額は事業計画のリスク項目になります。Zはその金額を直接左右する変数です。

用語解説
安定電源
容量市場の電源等区分のひとつ。一定の運転継続能力を持つ電源が該当します。
リクワイアメント
容量市場で契約した電源に課される義務です。
低予備率アセスメント対象コマ
予備率が低い時間帯として、供給力の提供状況を評価する対象になるコマです。

2. 30時間 → 90時間、そして実績155時間

要点

1年余り前に3倍へ引き上げたばかりの想定を、実績が追い越しました。

Z時間の推移と2026年度実績の比較 Z時間は改定前が30時間であった。2025年4月の改定で90時間となり、これが現行の値である。一方、2026年度の低予備率アセスメント対象コマの実績は7月末時点で約155時間に達しており、現行のZ時間である90時間を約65時間上回っている。年度が終わる前の7月末という時点ですでにZを超えており、Zを超えた稼働要請が現実に発生している状態である。 図2:Z時間(想定)と2026年度実績(7月末時点) 改定前のZ時間 30時間 現行のZ時間 90時間(2025年4月に改定) 2026年度の実績 約155時間(7月末時点) Zを約65時間 超過 年度が終わる前の7月末時点で、すでに想定を超えている
図2:バーの長さは時間数に比例。
出所:OCCTO 第76回 容量市場の在り方等に関する検討会 資料5(2026年9月1日)。「約65時間 超過」は155時間と90時間の差として編集部が算出。
表1:Z時間の推移と2026年度実績。
時点時間数
改定前30時間
2025年4月に改定(現行)90時間
2026年度の実績(7月末時点)約155時間

Z時間はすでに一度、引き上げられています。2025年4月に30時間から90時間へ引き上げられたのは、まさに事業者側のリスクを軽減するためでした。3倍への引き上げですから、相応に大きな見直しです。

ところが2026年度に入り、低予備率アセスメント対象コマの実績が7月末時点で約155時間に達しました。

Zを超えた稼働要請が、現実に発生しています。しかも年度末を待たず7月末の時点でです。

3. なぜ実績に合わせて直さないのか

要点まとめ 論点は数値の更新ではなく意味づけの再定義

実績に追随させない理由が予見可能性にあることと、案1から案3の提示を示す図
事務局は案1から案3を提示。適用日は示されておらず、検討段階である。
要点

実績に追随させると、事業者が翌年度のペナルティ単価を事前に読めなくなります。

Zを実績追随にする案と意味づけを再定義する案の対比 論点は二つに分かれる。第一はZを実績に合わせて引き上げるという方向で、この場合は毎年の実績に追随することになり、事業計画を立てる時点で分母が確定していない状態になるため予見可能性が損なわれる。第二はZの意味づけそのものを変えるという方向である。事務局は需給実績に応じた都度見直しは本来的性質でないと整理したうえで、Z時間の在り方を改めて検討するとして案1から案3を提示している。各案の内容は資料5に記載されており、適用日は示されていない。 図3:論点は「数値の更新」ではなく「意味づけの再定義」に及んでいる 論点① Zを実績に合わせて引き上げる 毎年の実績に追随させる 事業計画の時点で分母が確定しない = 予見可能性が損なわれる 論点② Zの意味づけそのものを変える Zが何を表す時間数なのかを定義し直す 案1・案2・案3 を提示 各案の内容は資料5に記載 事務局の整理:「需給実績に応じた都度見直しは本来的性質でない」 検討段階であり、適用日は示されていない
図3:留保が置かれた理由は予見可能性にある。
出所:OCCTO 第76回 容量市場の在り方等に関する検討会 資料5(2026年9月1日)

素直に考えれば「実績が155時間なら、Zも155時間にすればよい」となりそうです。事務局はそこに留保を置きました。「需給実績に応じた都度見直しは本来的性質でない」という整理です。

理由は予見可能性にあります。Zを毎年の実績に追随させると、事業者は次年度のペナルティ単価を事前に読めなくなります。事業計画を立てる時点で分母が確定していない状態になるからです。

つまり論点は、Zを実績に合わせて引き上げるのか、Zの意味づけそのものを変えるのか、の2つに分かれます。事務局はZ時間の在り方を改めて検討するとして、案1から案3を提示しています。各案の中身は資料5に記載されているため、実務では原典を確認してください。

資料の記載

事務局は「需給実績に応じた都度見直しは本来的性質でない」としつつ、Z時間の在り方を改めて検討するとして案1から案3を提示した。

解説

検討段階であり、適用日は示されていません。ただし論点が「数値の更新」ではなく「意味づけの再定義」に及んでいる点は押さえておく必要があります。

4. 電源等区分:容量市場3時間・長期脱炭素6時間の3段構造

要点まとめ デュレーションは3段構造で読む

容量市場の連続3時間と長期脱炭素の連続6時間による3段構造を示す図
容量市場の3時間と長期脱炭素の6時間、どちらを取りに行くかで設計が決まる。
要点

デュレーションが2時間・3時間・6時間のどこにあるかで、参加できる制度が変わります。

デュレーション別に見た参加可否の3段構造 容量市場の安定電源の要件は1日1回以上・連続3時間以上の運転継続が可能な能力であり、長期脱炭素電源オークションの要件は1日1回以上連続6時間以上である。したがってデュレーションが2時間の場合は容量市場の安定電源も長期脱炭素電源オークションもどちらも不可となる。3時間の場合は容量市場の安定電源は可だが長期脱炭素電源オークションは不可となる。6時間の場合は両方とも可となる。この3段構造がデュレーション設計の分岐点になる。 図4:デュレーション2時間・3時間・6時間で変わる参加可否 2時間 容量市場 ✗ / 長期脱炭素 ✗ 3時間 容量市場の安定電源 ✓ 長期脱炭素オークション ✗ 要件=1日1回以上・連続3時間以上 6時間 容量市場の安定電源 ✓ 長期脱炭素オークション ✓ 要件=1日1回以上 連続6時間以上 両方の扉が開く 2つの制度は別基準。どちらを(あるいは両方を)取りに行くかがデュレーション設計の判断になる
図4:容量市場の安定電源は連続3時間以上、長期脱炭素電源オークションは連続6時間以上。
出所:OCCTO 第76回 容量市場の在り方等に関する検討会 資料5(2026年9月1日)および同検討会の長期脱炭素電源オークション関連資料

同じ資料5で、電源等区分の整理も行われています。蓄電池は「1日1回以上・連続3時間以上の運転継続が可能な能力」を有する場合に、安定電源として位置づけられることが再確認されました。

ここで浮かび上がるのが、長期脱炭素電源オークションとの差です。長期脱炭素電源オークションの要件は「1日1回以上連続6時間以上」であり、別の基準になっています。

表2:デュレーション別の参加可否。両制度の要件はいずれも「1日1回以上」を前提とする。
デュレーション容量市場の安定電源長期脱炭素電源オークション
2時間不可不可
3時間不可
6時間

デュレーション設計は、この2つの基準のどちらを(あるいは両方を)取りに行くかで決まります。3時間で容量市場に絞るのか、6時間まで伸ばして両方の選択肢を残すのか、という判断です。

5. 発動指令電源の市場退出容量への充当案

要点

ペナルティ割合は大きく改善しました。ただし供給力提供の蓋然性は課題として残ります。

発動指令電源の実績と事務局案 発動指令電源の2025年度の供給力提供実績は5割程度である。ペナルティ割合は2024年度が13.2パーセント、2025年度が1.0パーセントで大きく低下した。実績は改善しているが、供給力提供実績が5割程度にとどまるため供給力提供の蓋然性が課題として残るという整理である。これを踏まえ、追加オークションが非開催の場合に市場退出容量へメインオークション不参加・不落札電源や実効性テスト過達分を充当する措置を講じることとしてはどうかという事務局案が示された。ただしリリースオークション検討時等には実施しない案とされている。 図5:発動指令電源の実績(左)と、示された事務局案(右) 実績 2025年度の供給力提供実績 5割程度 ペナルティ割合 13.2% 2024年度 1.0% 2025年度 事務局案(「講じることとしてはどうか」) 追加オークションが非開催の場合に 市場退出容量へ充当する ・メインオークション不参加/不落札電源 ・実効性テスト過達分 ただしリリースオークション検討時等には実施しない案 実績は改善。ただし供給力提供の蓋然性が課題として残るという整理
図5:実績の改善と、残された課題に対する事務局案。
出所:OCCTO 第76回 容量市場の在り方等に関する検討会 資料5(2026年9月1日)

資料5には、発動指令電源に関する論点も含まれています。

項目数値
2025年度の供給力提供実績5割程度
ペナルティ割合 2024年度13.2%
ペナルティ割合 2025年度1.0%

ペナルティ割合は13.2%から1.0%へ大きく下がりました。実績は改善しています。ただし供給力提供実績が5割程度にとどまるため、供給力提供の蓋然性が課題として残るという整理です。

これを踏まえ、事務局案が1つ示されました。追加オークションが非開催の場合に、市場退出容量へメインオークション不参加・不落札電源や実効性テスト過達分を充当する措置を「講じることとしてはどうか」という案です。ただし、リリースオークション検討時等には実施しない案とされています。

この措置が入ると、アグリゲーターの枠取り行動が変わり得ます。不落札だった電源に別の出口ができるためです。

6. 自社案件でのペナルティ額をどう試算するか

要点

検討段階のため単一値では計算できません。案ごとの幅をレンジとして持ちます。

Z時間を踏まえた試算の3ステップ 手順1は資料5で案1から案3の内容を確認することであり、Zがどう定義されるかは案によって異なる。期限の目安は2026年9月15日。手順2は各案での想定ペナルティ額を自社案件で試算することであり、Zは分母にあたるためZが大きい案ほど1時間あたりの単価は小さくなる。手順3は感度分析にZ時間の複数ケースを入れることであり、単一の想定値ではなく案の幅をそのまま投資判断のレンジとして持つ。あわせて発動指令電源を運用している場合は、市場退出容量への充当措置が導入された場合の影響を2026年9月30日を目安に評価する。 図6:確認 → 試算 → レンジ化 手順1 確認 資料5で案1〜案3の 内容を確認する 目安:2026年9月15日 手順2 試算 各案での想定ペナルティ額を 自社案件で試算する Zが大きい案ほど単価は小さい 手順3 レンジ化 感度分析にZ時間の 複数ケースを入れる 単一値で置かない 発動指令電源を運用している場合は、市場退出容量への充当措置が入った場合の影響も評価する 目安:2026年9月30日/Zの設計が決まる時期は継続監視(目安:2026年12月31日)
図6:確定値がないうちは、幅を持たせることが精度になる。
出所:OCCTO 第76回 容量市場の在り方等に関する検討会 資料5(2026年9月1日)をもとに編集部作成。期限の目安は編集部の設定。

検討段階のため、確定した数値で計算することはできません。できるのは、案ごとに幅を持たせた試算です。

  1. 資料5で案1〜案3の内容を確認する。Zがどう定義されるかは案によって異なります。
  2. 各案での想定ペナルティ額を自社案件で試算する。Zは分母にあたるため、Zが大きい案ほど1時間あたりの単価は小さくなります。
  3. 感度分析にZ時間の複数ケースを入れる。単一の想定値ではなく、案の幅をそのまま投資判断のレンジとして持ちます。

あわせて、発動指令電源を運用している場合は、市場退出容量への充当措置が導入された場合の影響を評価しておく必要があります。次回以降の容量市場の在り方等に関する検討会で、Zの設計がいつ決まるかを継続監視してください。

7. よくある質問

Z時間とは何ですか。

容量市場の安定電源について、ペナルティレートの算定に用いる時間数です。計算式の分母にあたるため、Zが大きいほど1時間あたりのペナルティ単価は小さくなります。

現在のZ時間は何時間ですか。

現行は90時間です。2025年4月に30時間から90時間へ改定されました。

2026年度の実績は何時間ですか。

低予備率アセスメント対象コマの実績が、7月末時点で約155時間です。現行のZ時間(90時間)を既に超えています。

なぜ実績に合わせてZ時間を直さないのですか。

事務局は「需給実績に応じた都度見直しは本来的性質でない」と整理しています。毎年の実績に追随させるとペナルティの予見可能性が損なわれるためで、Zの意味づけそのものの再定義が論点になっています。

Z時間はいつ変わるのですか。

検討段階であり、適用日は示されていません。事務局は案1から案3を提示し、Zの設計を継続検討するとしています。

蓄電池が容量市場の安定電源になる条件は何ですか。

「1日1回以上・連続3時間以上の運転継続が可能な能力」を有する場合に、安定電源として位置づけられることが資料5で再確認されました。

長期脱炭素電源オークションの要件とはどう違いますか。

長期脱炭素電源オークションは「1日1回以上連続6時間以上」で、容量市場の安定電源(連続3時間以上)とは別の基準です。2時間ではどちらも不可、3時間なら容量市場のみ、6時間なら両方が可という3段構造になります。

発動指令電源については何が示されましたか。

2025年度の供給力提供実績が5割程度、ペナルティ割合が2024年度13.2%から2025年度1.0%へ低下したことが示されました。あわせて、追加オークションが非開催の場合に市場退出容量へメインオークション不参加・不落札電源や実効性テスト過達分を充当する措置を「講じることとしてはどうか」との事務局案が示されています。ただしリリースオークション検討時等には実施しない案とされています。

今後は何が検討されるのですか。

①電源等区分、②Zの設計、③発動指令電源の蓋然性向上、の3点の詳細が継続検討されるとされています。

8. 編集部の見立て

90時間と155時間という2つの数字の差は、単なる予測のずれではありません。制度が想定した稼働の姿と、実際の系統運用のあいだにできた開きです。

Zは2025年4月に30時間から90時間へ、3倍に引き上げられたばかりです。その改定から1年余りで実績が90時間を超えたという事実の重さは、次の改定でも同じことが起きうることを示唆します。実績追随型にしないという事務局の判断は、この点でむしろ理解できます。追随させたところで追いつかない可能性があるからです。

蓄電池事業者にとって実務的に効くのは、Zが単一の想定値ではなくレンジとして扱うべき変数になったことです。案1から案3のどれが採られるかで想定ペナルティ額が変わる以上、単一値での事業計画は精度を装った不正確さになります。感度分析の変数として持つのが妥当です。

もうひとつ、電源等区分で「連続3時間以上」が再確認されたことは、長期脱炭素電源オークションの「連続6時間以上」との対比を鮮明にしました。2時間・3時間・6時間という3段の分岐は、デュレーション設計の議論を整理する軸になります。3時間は容量市場だけの世界、6時間は両方の扉が開く世界です。この差をコスト換算して比べる作業は、いまのうちにやっておく価値があります。

9. まとめ

OCCTOは2026年9月1日の第76回 容量市場の在り方等に関する検討会 資料5で、安定電源のペナルティレートZ時間(現行90時間)の在り方を改めて検討対象としました。2026年度の低予備率アセスメント対象コマ実績は7月末時点で約155時間に達し、Zを既に超えています。事務局は「需給実績に応じた都度見直しは本来的性質でない」と留保しつつ案1から案3を提示しており、適用日は未定です。あわせて電源等区分の整理で、蓄電池は「1日1回以上・連続3時間以上」で安定電源と再確認されました。長期脱炭素電源オークションの「1日1回以上連続6時間以上」との差により、2時間はどちらも不可、3時間は容量市場のみ、6時間は両方という3段構造になります。発動指令電源については2025年度の供給力提供実績5割程度、ペナルティ割合が2024年度13.2%から2025年度1.0%へ低下したことが示され、追加オークション非開催時に市場退出容量へ不参加・不落札電源や実効性テスト過達分を充当する事務局案が出されました。今後は①電源等区分②Zの設計③発動指令電源の蓋然性向上の詳細が継続検討されます。

10. 出典(一次情報)

更新ログ:2026-09-01 初版公開(第76回 容量市場の在り方等に関する検討会 資料5にもとづく。Zの設計が次回以降の検討会で進んだ段階で追記する)

11. 発行・監修

系統用蓄電池(BESS)に関する国内外の一次情報を毎日モニタリングし、制度・市場・安全の3領域で解説しています。
一次情報主義
官公庁・送配電事業者・市場運営機関が公表した原典のみを根拠とし、業界紙・ブログ等の二次情報は本文に採録しません。
段階を書き分ける
確定した制度と検討段階の論点を区別して表記します。Z時間の見直しは検討段階であり、適用日は示されていません。
監修者の役割
監修者は、原典との整合・制度用語の正確さ・実務上の解釈の妥当性を公開前に確認します。
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容量市場2030年度の参加登録は8月3日開始 ― 事業者情報の受付は8月7日まで、応札は10月13日から サムネイル

容量市場2030年度の参加登録は8月3日開始 ― 事業者情報の受付は8月7日まで、応札は10月13日から

OCCTOが2026年7月30日に公表したメインオークション募集要綱(対象実需給年度2030年度)で、参加登録から約定までの日程が確定した。最初の関門は事業者情報の登録受付で、8月3日から8月7日までの5日間しかない。

2026.07.30

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容量市場の上限価格が倍増 ― 2030年度は31,366.5円/kW、指標価格(Net CONE)は20,911円/kW サムネイル

容量市場の上限価格が倍増 ― 2030年度は31,366.5円/kW、指標価格(Net CONE)は20,911円/kW

OCCTOは2026年7月30日、2026年度メインオークション(対象実需給年度2030年度)の需要曲線を決定・公表した。指標価格・上限価格はいずれも前回から+107.6%。倍増の起点はモデルプラントの基準年更新にあり、2030年度の容量収入の前提を組み替える必要がある。

2026.07.30

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EPRXが需給調整市場のΔkW上限価格10円への更新を告知 ― 2026年9月1日実需給分から適用 サムネイル

EPRXが需給調整市場のΔkW上限価格10円への更新を告知 ― 2026年9月1日実需給分から適用

電力需給調整力取引所(EPRX)は2026年7月30日、「需給調整市場のΔkW上限価格の更新について」を公表した。第4回電力安定供給ワーキンググループ 資料6の審議結果を受けた一部商品区分の単価更新で、適用は9月1日実需給分からである。

2026.07.30

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需給調整市場の価格改定、上限価格が15円→10円で蓄電池の収益はどうなる?【2026年9月1日適用案】〜正式公表前でも、蓄電池ビジネスの収支を「10円前提」で見直すべき理由〜

「容量市場に間に合わない?」〜コード取得済みでも要注意〜 蓄電池事業者が確認すべき【法人名義・参加区分・電源リスト】
〜事業者コードは最大3週間、系統コードは3〜4週間〜OCCTO資料から“参加登録の本当の落とし穴”を整理

電力広域的運営推進機関(OCCTO)は2026年7月7日、容量オークションへの参加を予定する事業者に対し、事業者コード、系統コード、クライアント証明書を早めに準備するよう注意を呼びかけました。

2026.07.30

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需給調整市場の価格改定、上限価格が15円→10円で蓄電池の収益はどうなる?【2026年9月1日適用案】〜正式公表前でも、蓄電池ビジネスの収支を「10円前提」で見直すべき理由〜

需給調整市場の価格改定、上限価格が15円→10円で蓄電池の収益はどうなる?【2026年9月1日適用案】
〜正式公表前でも、蓄電池ビジネスの収支を「10円前提」で見直すべき理由〜

資源エネルギー庁は、2026年7月14日の「第4回 電力安定供給ワーキンググループ」で、需給調整市場の一次調整力・二次調整力①・複合商品の上限価格を、15円から10円へ引き下げる案を示しました。適用時期は、2026年9月1日実需給分からとされています。

2026.07.24

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需給調整市場の上限価格を15円から10円へ―2026年9月1日実需給分から適用、蓄電池は値を下げても応札を続ける サムネイル

需給調整市場の上限価格を15円から10円へ―2026年9月1日実需給分から適用、蓄電池は値を下げても応札を続ける

電力安定供給ワーキンググループ第4回の資料6で、事務局は一次・二次①・複合商品の上限価格を現行15円/ΔkW・30分から10円へ引き下げ、2026年9月1日実需給分から適用する案を示した。前日取引化から約3か月たっても応札未達が続いていることが根拠である。

2026.07.14

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需給調整市場の2025年度「成績表」 ― 複合商品の総約定量は前年度比約9%減、単価は低下傾向 サムネイル

需給調整市場の2025年度「成績表」 ― 複合商品の総約定量は前年度比約9%減、単価は低下傾向

EPRX(電力需給調整力取引所)は2025年度の取引実績と取引監視レポートを公表した(2026年6月18日)。複合商品の総約定量は前年度比約9%減、北海道を除く平均約定単価はおおむね4円/ΔkW・30分以下で推移。明確な禁止行為は確認されなかったが、高値応札は継続監視の対象とされた。

2026.07.07

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【2026年7月1日改定】知らないと損する蓄電池の新ルール!〜申請忘れでペナルティ1

【2026年7月1日改定】知らないと損する蓄電池の新ルール!
〜申請忘れでペナルティ1.5倍も…!事業者必見の7つの注意点〜

2026年6月18日、EPRX(一般社団法人 電力需給調整力取引所)は、需給調整市場の取引規程類を2026年7月1日付で改定すると発表しました。

2026.06.30

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容量市場の外側で休止火力を維持する「予備電源」― 募集量は東100万・西68万kW、目安単価14,860円/kW サムネイル

容量市場の外側で休止火力を維持する「予備電源」― 募集量は東100万・西68万kW、目安単価14,860円/kW

電力広域的運営推進機関(OCCTO)は2026年6月17日、「予備電源募集に係る基本要件(2027年度・2028年度制度適用開始向け)」を公表した。募集量は50Hz東エリア100万kW・60Hz西エリア68万kW、応札単価の目安は直近3回の容量市場メインオークション上限価格の平均14,860円/kWで、2026年8月頃に募集要綱公表・応札が始まる。対象は送電端10万kW以上の安定電源(火力)に限定され、蓄電池は対象外である。

2026.06.17

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蓄電池にも追い風?需給調整市場「30分化」で複合商品の応札量30.3%増でも“足りない”理由〜市場参加の広がるチャンスと応札不足と出力制御対応の課題〜

蓄電池にも追い風?需給調整市場「30分化」で複合商品の応札量30.3%増でも“足りない”理由
〜市場参加の広がるチャンスと応札不足と出力制御対応の課題〜

電力広域的運営推進機関(OCCTO)は、2026年6月9日に第61回「需給調整市場検討小委員会」と第78回「調整力の細分化及び広域調達の技術的検討に関する作業会」の合同会議を開きました。

2026.06.16

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120万kWが蓄電池の“稼ぎ場”を変える? EPRX、東京エリアの調整力募集量を見直し

120万kWが蓄電池の“稼ぎ場”を変える? EPRX、東京エリアの調整力募集量を見直し
〜東京電力PGが揚水発電機の調整力を随意契約で確保、市場募集量から控除へ〜

EPRXは、東京エリアで揚水発電機を用いた随意契約が締結されたことに伴い、2026年5月26日実需給分から複合市場商品の募集量を見直すと告知した。

2026.06.04

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長期脱炭素電源オークション(2025年度応札)落札電源一覧 ― 系統用蓄電池19件の事業者・案件・容量 サムネイル

長期脱炭素電源オークション(2025年度応札)落札電源一覧 ― 系統用蓄電池19件の事業者・案件・容量

電力広域的運営推進機関(OCCTO)は2026年5月13日、長期脱炭素電源オークション(応札年度:2025年度・第3回)約定結果の別紙として「落札電源一覧」を公表した。脱炭素電源28件・LNG専焼火力4件の応札事業者名・案件名・電源種・落札容量が一覧化され、脱炭素電源28件のうち19件を系統用蓄電池が占めた。

2026.05.13

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長期脱炭素電源オークション(応札年度2025年度)約定結果の詳細 ― 蓄電池落札率46%・年度別分布・セル30%制限 サムネイル

長期脱炭素電源オークション(応札年度2025年度)約定結果の詳細 ― 蓄電池落札率46%・年度別分布・セル30%制限

電力広域的運営推進機関(OCCTO)は2026年5月13日、長期脱炭素電源オークション(応札年度:2025年度・第3回)の約定結果を公表した。脱炭素電源は約定総容量426.1万kW・約定総額4,748億円/年(過去3年平均)、蓄電池は応札125.1万kW・落札率46%。実需給年度別・発電方式別の落札容量と容量拠出金試算まで収録する公式結果資料である。

2026.05.13

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長期脱炭素電源オークションの応札価格監視(2025年度応札) ― 減額約4億円・取下げ約80億円と査定基準 サムネイル

長期脱炭素電源オークションの応札価格監視(2025年度応札) ― 減額約4億円・取下げ約80億円と査定基準

電力・ガス取引監視等委員会は、2026年1月に広域機関が実施した長期脱炭素電源オークション(応札年度:2025年度)について、落札候補全件(23者34電源)の応札価格を監視した結果を公表した。18者26電源に不認容項目を通知し、監視対象の当初約定総額約6,276億円/年に対し減額は約4億円/年、応札取下げ1件に伴う減額は約80億円/年である。

2026.05.13

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EPRX需給調整市場 取引規程 2026年7月1日改定案 ― 本則+別冊(二次調整力①・一次調整力・複合約定)を読み解く サムネイル

EPRX需給調整市場 取引規程 2026年7月1日改定案 ― 本則+別冊(二次調整力①・一次調整力・複合約定)を読み解く

電力需給調整力取引所(EPRX)は、需給調整市場の取引規程本則および別冊(二次調整力①・一次調整力・複合約定)について、2026年7月1日改定・同日実施とする改定案(全62ページ)を公表した。取引会員資格・リソース要件・事前審査(実働試験)・入札・約定処理・アセスメント・売買手数料等、蓄電池の市場参加ルールの根幹を定める制度文書である。

2026.05.11

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EPRX需給調整市場 取引規程 2026年7月1日改定案 ― 本則+別冊(三次調整力②・三次調整力①・二次調整力②)を読み解く サムネイル

EPRX需給調整市場 取引規程 2026年7月1日改定案 ― 本則+別冊(三次調整力②・三次調整力①・二次調整力②)を読み解く

電力需給調整力取引所(EPRX)は、需給調整市場の取引規程本則および別冊(三次調整力②・三次調整力①・二次調整力②)について、2026年7月1日改定・同日実施とする改定案(全62ページ)を公表した。取引会員資格・リソース要件・事前審査(実働試験)・入札・約定処理・アセスメント・売買手数料等、蓄電池の市場参加ルールの根幹を定める制度文書である。

2026.05.11

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容量市場のNet CONE見直しと「2段階シングルプライス(案A-2)」 ― ペナルティレート90時間化と蓄電池への影響 サムネイル

容量市場のNet CONE見直しと「2段階シングルプライス(案A-2)」 ― ペナルティレート90時間化と蓄電池への影響

制度検討作業部会の第114回会合に『第二十五次中間とりまとめ(案)』(全50ページ)が提出された。容量市場のNet CONE(指標価格)を最新の発電コスト検証WG値(約2.05万円/kW・上限約3.1万円/kW)へ見直す方向を整理し、2026年度メインオークションでは影響緩和措置として「2段階シングルプライス(案A-2)」を採用。ペナルティレートZは30時間から90時間へ見直される。

2026.05.08

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EPRX、需給調整市場の売買手数料が倍増へ〜2026年度は0.06円/ΔkW・30分、4月1日実需給分から適用〜

EPRX、需給調整市場の売買手数料が倍増へ
〜2026年度は0.06円/ΔkW・30分、4月1日実需給分から適用〜

ePRXは、2026年度の需給調整市場の売買手数料単価を0.06円/ΔkW・30分(税抜)に決定しました。2025年度の0.03円/ΔkW・30分(税抜)から、単価は2倍です。

2026.05.05

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長期脱炭素電源オークション(2025年度応札)約定結果 ― 蓄電池は応札125.1万kW・落札率46%、次回検討へ サムネイル

長期脱炭素電源オークション(2025年度応札)約定結果 ― 蓄電池は応札125.1万kW・落札率46%、次回検討へ

資源エネルギー庁と電力広域的運営推進機関(OCCTO)の共同事務局は、第73回容量市場の在り方等に関する検討会の資料3で、長期脱炭素電源オークション(応札年度:2025年度・第3回)の約定結果を報告した。脱炭素電源は約定総容量426.1万kW・約定総額4,748億円/年(過去3年平均)。蓄電池は応札125.1万kW・落札率46%だった。

2026.05.02

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IRENA『24/7 Renewables』を読む ― 太陽光・風力+蓄電池の「firm LCOE」が測るファーム化の経済性 サムネイル

IRENA『24/7 Renewables』を読む ― 太陽光・風力+蓄電池の「firm LCOE」が測るファーム化の経済性

国際再生可能エネルギー機関(IRENA)は、変動性の太陽光・風力を蓄電池(BESS)等と組み合わせて「ファーム化」(一定の信頼度で24時間365日供給可能にする)した電力の経済性を、新指標「firm LCOE(ファーム化均等化発電原価)」で評価する報告書を公表した。95%信頼度でのコスト推移(2020〜2035年)と火力との競争力を提示する。

2026.05.01

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電取委がJEPX規程変更に異存なし 2026年4月のスポット市場新システムで取引ルールはどう変わるか

電取委がJEPX規程変更に異存なし
2026年4月のスポット市場新システムで取引ルールはどう変わるか

2026-03-23、電取委(電力・ガス取引監視等委員会。電力市場を監視する国の委員会)は、JEPX(日本卸電力取引所)の業務規程変更について、経済産業大臣に「異存なし」と回答しました。JEPX側では、その後の2026-03-30改定版規程が公表されています。

2026.04.28

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世界の蓄電池導入は108GW・前年比40%増 ― IEAが“最速成長の電源技術”と位置づけ サムネイル

世界の蓄電池導入は108GW・前年比40%増 ― IEAが“最速成長の電源技術”と位置づけ

国際エネルギー機関(IEA)は年次報告『Global Energy Review 2026』(2026年4月公表)で、2025年に世界で108GWの蓄電池が新規導入され、前年比40%増・2021年比11倍に達したと報告した。LFPが導入の約90%、約80%が系統用(ユーティリティスケール)、中国が約60%を占める。日本の系統用蓄電池の技術選定・放電時間設計・調達戦略の前提となる一次データを読み解く。

2026.04.24

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容量市場のNet CONE・上限価格見直し ― 影響緩和は「二段階シングルプライス」案3が有力に サムネイル

容量市場のNet CONE・上限価格見直し ― 影響緩和は「二段階シングルプライス」案3が有力に

資源エネルギー庁は第113回制度検討作業部会(2026年4月3日)の資料5『容量市場について』で、指標価格Net CONEと上限価格の見直しに伴う影響緩和策として案2(Net CONE超はマルチプライス併用)と案3(二段階シングルプライス)を比較し、確実な供給力確保の観点から案3が望ましいと整理した。2027年度実需給向け追加オークションの開催判断、非効率石炭火力の稼働抑制誘導措置もあわせて議論された。

2026.04.03

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北海道で蓄電池を需給調整市場に出す前に ― 2入札方式不可・専用線受口上限、5つの参入制約を読み解く サムネイル

北海道で蓄電池を需給調整市場に出す前に ― 2入札方式不可・専用線受口上限、5つの参入制約を読み解く

北海道電力ネットワークは2026年3月12日付(第1版)で、北海道エリアの需給調整市場参加・余力活用契約締結にあたっての同社システム上の参入制約を公表した。単体ネガポジリソース(揚水・蓄電池)の2入札方式不可、専用線オンラインの受口数上限、20超のリスト・パターン不可、片方向のみの余力活用不可、専用線オンラインでの出力変化量指令不可 ― 蓄電池の市場参入・運用に直接効く制約が整理されている。

2026.04.01

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起動費は“後から精算”へ ― 需給調整市場の事後精算ルールを説明資料53ページから読み解く サムネイル

起動費は“後から精算”へ ― 需給調整市場の事後精算ルールを説明資料53ページから読み解く

電力需給調整力取引所(EPRX)は、需給調整市場における起動費等および経済差替時の扱いに関する事後精算の説明資料(全53ページ)を2026年4月1日付で修正した。不落ブロックの起動費・最低出力までの機会費用・停止再起動費用を属地TSOと事後精算する運用ルールは2025年4月1日実需給分から適用されており、今回の修正で経済差替分の精算と精算額の公表(第19項)が新たに加わった。

2026.04.01

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精算の前提は、この覚書 ― 起動費他事後精算に関する契約書のひな形(全13ページ)を読み解く サムネイル

精算の前提は、この覚書 ― 起動費他事後精算に関する契約書のひな形(全13ページ)を読み解く

需給調整市場で起動費等の事後精算を希望する取引会員が、属地の送配電事業者と締結する『需給調整市場(起動費他事後精算)に関する契約書の覚書』のひな形(2026年4月1日以降版・全13ページ)をEPRXが公開している。不落ブロック・約定間不落・起動費未回収分相当額・経済差替え・等分メリット単価分など30の用語を定義し、精算対象と提出様式を規定する契約実務の一次資料である。

2026.04.01

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ルールブック改定、402ページ ― 取引規程(需給調整市場)Ver17の新旧対照表を読み解く サムネイル

ルールブック改定、402ページ ― 取引規程(需給調整市場)Ver17の新旧対照表を読み解く

電力需給調整力取引所(EPRX)は、取引規程(需給調整市場)の2026年4月1日改定(Ver17)の新旧対照表(全402ページ・本則+全6商品別冊)を公表した。第2条(定義)に起動供出機・持ち下げ供出機・起動費単価分・返還区分等を追加し、第36条(差替え)・第44条(返還情報の登録)を改定。起動費等の事後精算ルールと一体で機能する規程整備であり、需給調整市場入札の根幹規程の改定である。

2026.04.01

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米国で4時間電池の容量価値が下がる理由 ― FERC 2025 State of the Marketsに見る蓄電池の中心化 サムネイル

米国で4時間電池の容量価値が下がる理由 ― FERC 2025 State of the Marketsに見る蓄電池の中心化

米国連邦エネルギー規制委員会(FERC)のスタッフ報告『2025 State of the Markets』(2026年3月公表)は、2025年に発電容量が56GW増え、系統連系キュー2,130GWの74%を太陽光・蓄電池が占める実態を示した。一方で4時間電池の容量寄与率は95%から85%へ逓減する見通しで、より長い持続時間を求める構造変化が見える。

2026.03.24

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需給調整市場×低圧系統連系蓄電池:2026年度の低圧リソース活用・機器個別計測と注意点

需給調整市場×低圧系統連系
蓄電池:2026年度の低圧リソース活用・機器個別計測と注意点

低圧小規模リソースの活用と機器個別計測の制度動向をやさしく解説・低圧の蓄電池で需給調整市場を狙うなら、まず計測の場所(受電点/機器点)が論点。

2026.03.16

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需給調整市場への参入手続き全図解 ― 機器個別・低圧リソース導入と機器点計量フローの新設(2026年3月14日施行) サムネイル

需給調整市場への参入手続き全図解 ― 機器個別・低圧リソース導入と機器点計量フローの新設(2026年3月14日施行)

電力需給調整力取引所(EPRX)は、需給調整市場への参入から入札・運用・精算までの全業務フローを定めた取引ガイド別紙『業務フロー』(全70ページ)を2026年3月14日に改定・施行した。機器個別・低圧リソースの導入、機器単位の計量(機器点計量)、派生パターン変更のフローが新たに整理され、より小規模・分散的な蓄電池リソースの参入の道が広がる。

2026.03.14

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需給調整市場5商品のスペックと時刻表 ― 全商品前日取引化・入札開始30分前倒しへ(第6版) サムネイル

需給調整市場5商品のスペックと時刻表 ― 全商品前日取引化・入札開始30分前倒しへ(第6版)

電力需給調整力取引所(EPRX)が2026年3月13日に公表した『需給調整市場の商品要件と取引スケジュール』第6版を解説する。一次〜三次調整力②の応動時間・継続時間・回線・最低入札量などの技術要件と、全商品前日取引化・入札開始30分前倒しに伴う取引スケジュールの改定点を、系統用蓄電池の応札商品選定の観点で整理した。

2026.03.13

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需給調整市場への参入準備 ― 契約締結まで工事不要で約6ヶ月、専用線なら約15ヶ月の工程を読む サムネイル

需給調整市場への参入準備 ― 契約締結まで工事不要で約6ヶ月、専用線なら約15ヶ月の工程を読む

電力需給調整力取引所(EPRX)が公表する『(参考)事前準備が必要な内容』第10版(2026年3月13日以降適用・全15ページ)を解説する。需給調整市場への参入に必要な標準スケジュール、簡易指令システム/専用線オンラインの工事要否・工期・通信仕様・セキュリティ要件を、系統用蓄電池の参入計画の観点で整理した。

2026.03.13

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長期脱炭素オークション第4回 ― 蓄電池は「認定セル優先約定」へ、製造国30%制限は廃止 サムネイル

長期脱炭素オークション第4回 ― 蓄電池は「認定セル優先約定」へ、製造国30%制限は廃止

資源エネルギー庁は制度検討作業部会 第112回(2026年3月4日)の資料3で、長期脱炭素電源オークション第4回入札に向けた蓄電池の約定方法を提示した。経済安全保障推進法の供給確保計画の認定を受けたメーカー製セルを使うリチウムイオン蓄電池案件を優先的に約定し、第3回で導入したセル製造国30%制限ルールは適用しない方針である。

2026.03.04

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容量市場のNet CONE見直し ― 上限価格が約3.0万円/kWへ、蓄電池の容量収入の天井が動く サムネイル

容量市場のNet CONE見直し ― 上限価格が約3.0万円/kWへ、蓄電池の容量収入の天井が動く

資源エネルギー庁は制度検討作業部会 第112回(2026年3月4日)の資料5で、容量市場の指標価格(Net CONE)を最新の発電コスト検証WG値(2.05万円/kW、上限価格約3.0万円/kW)に見直す案と、容量拠出金負担の影響緩和措置(シングルプライス領域に上限を設定する案A-2を推奨)を議論した。目標調達量も諸元見直しで+584万kW増加する。

2026.03.04

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東京電力PG管内で初の再エネ出力制御を指示 ― 揚水619万kWでも余る昼、蓄電池に追い風 サムネイル

東京電力PG管内で初の再エネ出力制御を指示 ― 揚水619万kWでも余る昼、蓄電池に追い風

東京電力パワーグリッドは2026年3月1日、優先給電ルール(送配電等業務指針第174条)に基づき、管内で初めてとなる再生可能エネルギーの出力制御を指示した。好天で太陽光が高出力・需要が低い見通しとなり、火力抑制・揚水運転・域外送電でも供給過剰と判断。出力制御は同日11時から16時に実施された。

2026.03.01

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東京電力PG管内初の再エネ出力制御 実績速報 ― 制御量184万kW、揚水617万kW動員後もなお余った昼 サムネイル

東京電力PG管内初の再エネ出力制御 実績速報 ― 制御量184万kW、揚水617万kW動員後もなお余った昼

東京電力パワーグリッドは、管内初となる再エネ出力制御を実施した2026年3月1日の実績速報値を公表した。再エネ出力制御量は184万kW、出力制御期間は11時から16時。揚水617万kWを動員してもなお余った昼の電気の規模を、実数で示すレポートである。

2026.03.01

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IEA『Electricity 2026』の系統用バッテリー特集 ― 2024年63GW増設・累計124GW・コスト約150ドル/kWh サムネイル

IEA『Electricity 2026』の系統用バッテリー特集 ― 2024年63GW増設・累計124GW・コスト約150ドル/kWh

国際エネルギー機関(IEA)の年次電力市場報告『Electricity 2026 – Analysis and forecast to 2030』(全225ページ)は、予測期間を従来の3年から2026年〜2030年の5年に拡張し、グリッドとフレキシビリティを特集章に据えた。系統用バッテリーは2024年に63GWを増設して累計124GWに到達し、プロジェクトコストは約40%低下して約150ドル/kWhに。コスト低下と裏腹に、系統接続・許認可の多年度遅延と収益変動という課題も明示されている。

2026.02.19

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長期脱炭素電源オークション(脱炭素オークション)とは?“20年kW収入”の仕組みと、還付・リスクをやさしく整理

長期脱炭素電源オークション(脱炭素オークション)とは?
“20年kW収入”の仕組みと、還付・リスクをやさしく整理

買うのはkW(出せる力)発電量(kWh)とは別モノ。将来の供給力を確保する制度。 落札=ゴールではない供給開始・要件遵守・監視対応までが事業の本番。入金は「満額」ではない支払金額 = 容量確保契約金額− (還付/控除 + ペナルティ等)

2026.01.06

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容量市場メインオークション約定結果(2029年度)― 約定総額2兆2,094億円・全エリア指標価格超・蓄電池169万kW サムネイル

容量市場メインオークション約定結果(2029年度)― 約定総額2兆2,094億円・全エリア指標価格超・蓄電池169万kW

電力広域的運営推進機関(OCCTO)が公表した対象実需給年度2029年度のメインオークション約定結果は、約定総容量1億6,608万kW、経過措置を踏まえた約定総額2兆2,094億円となった。市場分断により約定価格は4ブロックに分かれ、いずれも指標価格(Net CONE 10,075円/kW)を上回った。蓄電池は放電可能時間3時間以上で安定電源として参加でき、応札容量は169万kW(全方式の1.0%)である。

2026.01.02

市場・価格

JEPX(卸電力市場)入門 スポット/時間前のしくみと系統用蓄電池(BESS)の使い方まで一気に理解

JEPX(卸電力市場)入門 スポット/時間前のしくみと系統用蓄電池(BESS)の使い方まで一気に理解

JEPX(日本卸電力取引所)の基礎を、スポットと時間前の違いから価格の決まり方、BESSの使いどころまで一気に解説。最小単位・手数料・リスクにも触れ、初導入でも判断できます。

2025.10.19

市場・価格

容量市場(OCCTO)とは?BESSの参加条件と収益の見方を、図解でやさしく解説

容量市場(OCCTO)とは?
BESSの参加条件と収益の見方を、図解でやさしく解説

容量市場は将来の供給力(kW)をオークションで前倒し確保し、約定価格は需要曲線と供給曲線の交点で決まります(エリア分断時は1.5倍上限あり)。 BESSは期待容量1,000kW以上・放電3時間以上で安定電源として参加でき、落札対価は月割(12分割)で支払われます。

2025.10.19

市場・価格

初心者投資家向け・商品別に実務でわかる解説2026年版 需給調整市場(EPRX)入門 【BESS向け】

初心者投資家向け・商品別に"実務でわかる"解説
2026年版 需給調整市場(EPRX)入門 【BESS向け】

このスライドでは、需給調整市場(EPRX)の基本から、各商品の詳細仕様、実務参入のポイントまで、段階的に解説します。

2025.09.21

市場・価格

脱炭素社会のキーテクノロジーである「系統用蓄電池(BESS)」のビジネスに特化した専門情報メディアです。

再生可能エネルギーの導入が加速する一方、その制度や技術は複雑で、変化のスピードも速まっています。
当メディアでは、系統用蓄電池の基礎知識はもちろん、FIT・FIP制度それぞれに対応した併設モデルの解説、需給調整市場や容量市場といったビジネスの現場、さらには関連法規や実務上の注意点まで、専門的かつ分かりやすく解説します。

これから事業を始める方の最初の羅針盤として、そして既に事業に取り組む方の情報収集の拠点として、皆様のビジネスを力強く後押しする情報をお届けしてまいります。