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作成日:2026.05.01

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※本記事は、作成日または最終更新日時点で公表されている制度情報・数値・資料に基づいて作成しています。

IRENA『24/7 Renewables』を読む ― 太陽光・風力+蓄電池の「firm LCOE」が測るファーム化の経済性

IRENA『24/7 Renewables』を読む ― 太陽光・風力+蓄電池の「firm LCOE」が測るファーム化の経済性 サムネイル

国際再生可能エネルギー機関(IRENA)は、変動性の太陽光・風力を蓄電池(BESS)等と組み合わせて「ファーム化」(一定の信頼度で24時間365日供給可能にする)した電力の経済性を、新指標「firm LCOE(ファーム化均等化発電原価)」で評価する報告書を公表した。95%信頼度でのコスト推移(2020〜2035年)と火力との競争力を提示する。

このページの要点

  1. IRENAの報告書『24/7 Renewables: The Economics of Firm Solar and Wind』(全60頁)は、太陽光・風力をBESS等でファーム化した電力の経済性を新指標「firm LCOE」で評価する。
  2. プラント単体のLCOEを超えたシステム視点の評価により、95%信頼度の太陽光PV+BESSのfirm LCOE推移(2020〜2035年)、ハイブリッド化戦略の影響、火力との競争力、firmingプレミアムの要因を分析する。
  3. 技術コスト低下が再エネ+蓄電池の自己強化的なコスト低減を生むとし、文脈に応じた技術選択と政策が大規模展開を後押しすると結論づける(中国・米国等の事例)。

出典:IRENA『24/7 Renewables: The Economics of Firm Solar and Wind』(2026年)。

要旨 ― ひと言でいえば

「晴れた時だけ・風がある時だけ」の再エネを、蓄電池を足して「いつでも約束した量を出せる電源」に変えるといくらになるか。それを世界共通のものさし(firm LCOE)で計算し、再エネ+蓄電池が火力にどこまで対抗できるかを国際機関が試算した報告書である。

firm LCOEとは ― 再エネ+蓄電池のファーム化コストを測る新指標

従来のLCOE(均等化発電原価)では「系統全体で信頼できる供給を実現するコスト」を捉えられない。firm LCOEはその拡張である。

図1:従来LCOEとfirm LCOEの視点の違いと報告書の構成

 The Economics of Firm Solar and Wind』(2026年・全60頁)の指標定義に基づき編集部作成。

出典:IRENA『24/7 Renewables

firm LCOE(ファーム化均等化発電原価)は、太陽光・風力にBESS等を組み合わせ、一定の信頼度(例:95%)で約束した供給を実現する電力のコストを測る指標である。プラント単体の発電コストを測る従来LCOEを、系統システム視点に拡張したものと位置づけられる。

報告書は3章構成である。(1)round-the-clock(24時間)再エネ電力の台頭とシステム視点の重要性、(2)ファーム化再エネの経済性(firm LCOEの測定、市場間比較、火力との競争力、コスト要因)、(3)コスト競争力から大規模展開へ(技術学習によるコスト低減、文脈に応じた技術選択、政策の役割)という流れで、付録にfirm LCOE推計の方法論と設備投資(CAPEX)・運転費(OPEX)・事業期間/ファイナンスの前提条件を収録する。

一次資料の記載(要旨)

プラント単体のLCOEでは系統全体の姿を捉えられない。変動性の太陽光・風力を蓄電池等と組み合わせてファーム化した電力の経済性は、信頼度を加味したfirm LCOEで測る必要がある。

— IRENA『24/7 Renewables: The Economics of Firm Solar and Wind』第1章(要旨)

太陽光・風力+BESSのfirm LCOE推移と火力との競争力

95%信頼度での太陽光PV+BESSのコスト推移(2020〜2035年)が、報告書の中核的な分析である。

図2:95%信頼度のfirm LCOE推移と市場間比較・構成の工夫

 The Economics of Firm Solar and Wind』(2026年)。具体的な推計値・図表は一次資料を参照。

出典:IRENA『24/7 Renewables

報告書は、95%信頼度での太陽光PV+BESSのfirm LCOE推移(2020〜2035年)を軸に、複数の切り口でファーム化再エネの競争力を分析する。具体的には、中国においてfirm LCOEがUSD100/MWhを下回る太陽光PV案件の割合、ラスベガス等のサイト別のLCOE対信頼度目標の関係、陸上風力+BESSのハイブリッド化戦略の影響、太陽光PVのfirmingプレミアム(ファーム化に伴う追加コスト)の資源要因等を図表で示す。

これらの分析を通じ、再エネ+蓄電池が火力とどこまで競争力を持ちうるかを国際比較の枠組みで提示する。具体的な推計値・図表は一次資料(報告書本文)を参照されたい。

  • 報告書の分析対象:95%信頼度の太陽光PV+BESSのfirm LCOE推移(2020〜2035年)。
  • 市場間比較:中国でfirm LCOEがUSD100/MWh未満となる太陽光PV案件の割合を提示。
  • サイト別分析:ラスベガス等でのLCOE対信頼度目標の関係を図示。
  • 構成の工夫:陸上風力+BESSのハイブリッド化戦略がfirm LCOEに与える影響を分析。

技術コスト低下・立地最適化と、BESSの投資判断への示唆

技術学習による自己強化的なコスト低減が、報告書の中心的メッセージである。

報告書は、太陽光・BESSの技術コスト低下がfirm LCOEを押し下げ、それが導入拡大とさらなるコスト低減を生むという自己強化的なコスト低減の好循環を指摘する。そのうえで、文脈に応じた技術選択と政策の決定的役割が大規模展開の鍵になるとし、中国・米国等の事例を交えて提示する。

日本の系統用蓄電池・再エネ併設蓄電池にとっては、直接の国内制度影響はないものの、蓄電池の経済価値を「変動性再エネを信頼できる電源に変えるコスト低減手段」として国際機関が定量評価した理論的背景となる。信頼度を加味した電力価値という観点は、国内の経済性議論の枠組みとしても参照されうる。

実務チェックリスト

  • 再エネ併設・系統用蓄電池の事業性を評価する事業者は、firm LCOEの考え方を自社の経済性評価モデルに取り込み、信頼度を加味したコスト比較を行う。
  • 投資・戦略担当は、太陽光/風力+BESSの国際的なコスト競争力トレンドと技術学習による低減見通しを、長期投資判断の背景情報として参照する。
  • 立地・システム構成(ハイブリッド化戦略)がfirmingプレミアムに与える影響を、案件設計の最適化検討に活用する。

読者別の緊急度

初級(投資家・土地オーナー)2/5

再エネ+蓄電池のコスト競争力の方向性として参考に把握しておくとよい。

中級(建設・メーカー・設計)2/5

firm LCOEの考え方を余裕があれば確認する程度でよい。

上級(事業者・アグリゲーター)3/5

事業性評価・投資担当は経済性評価の枠組みとして今月中に確認しておくとよい。

よくある質問(Q&A)

firm LCOEとは何ですか?

太陽光・風力にBESS等を組み合わせ、一定の信頼度(例:95%)で供給を実現する電力のコストを測る指標です。プラント単体の発電コストを測る従来のLCOE(均等化発電原価)を、系統システム視点に拡張したものです。

従来のLCOEと何が違いますか?

従来LCOEはプラント単体の発電コストのみを測り、供給の確実さ(信頼度)を評価に含めません。firm LCOEは蓄電池等のファーム化設備を含めて、約束した信頼度で24時間365日供給する電力のコストを測ります。

報告書はどのような分析を提示していますか?

95%信頼度での太陽光PV+BESSのfirm LCOE推移(2020〜2035年)、中国でfirm LCOEがUSD100/MWhを下回る太陽光PV案件の割合、サイト別のLCOE対信頼度目標の関係、陸上風力+BESSのハイブリッド化戦略の影響、firmingプレミアムの資源要因等を図表で示しています。

報告書の中心的なメッセージは何ですか?

技術学習による自己強化的なコスト低減、文脈に応じた技術選択、政策の決定的役割が大規模展開の鍵であり、再エネ+蓄電池が火力と競争力を持ちうるという点です。

日本の蓄電池事業にどう関係しますか?

直接の国内制度影響はありませんが、系統用蓄電池の経済価値を「再エネのファーム化コスト低減手段」として国際機関が定量評価した理論的背景となり、信頼度を加味した電力価値という観点は国内の経済性議論の枠組みとしても参照されえます。

報告書の分量と構成は?

全60頁・3章構成(ISBN978-92-9260-736-4)です。付録にfirm LCOE推計の方法論、設備投資・運転費・事業期間/ファイナンスの前提条件を収録しています。

編集部の見立て(独自分析)

独自分析

  • firm LCOEは「信頼度で約束した供給を実現するコスト」を測る指標であり、変動性再エネに蓄電池を足したときの真の競争力をプラント単体LCOEより正確に捉える
  • 技術コスト低下(太陽光・BESS)がfirm LCOEを自己強化的に押し下げるという指摘は、蓄電池の導入拡大とコスト低減の好循環を理論的に裏付ける。
  • ハイブリッド化戦略(風力+BESS等)やサイト別の資源条件がfirmingプレミアムを大きく左右するため、立地・構成最適化が蓄電池併設の経済性の鍵となる。

※本ブロックは一次資料の事実に基づく編集部の見立てであり、確定情報ではありません(2026年7月時点)。

この記事のまとめ

IRENAの報告書『24/7 Renewables: The Economics of Firm Solar and Wind』(全60頁)は、太陽光・風力をBESS等でファーム化した電力の経済性を新指標firm LCOEで評価する。95%信頼度の太陽光PV+BESSのコスト推移(2020〜2035年)、中国でUSD100/MWhを下回る案件割合、ハイブリッド化戦略の影響等を分析し、技術コスト低下による自己強化的なコスト低減と政策の役割が大規模展開の鍵と結論づける。系統用蓄電池の投資判断・事業性評価の理論的背景となる一次分析である。

編集体制

執筆

BESSNEWS編集部

系統用蓄電池の制度・市場・ファイナンスを一次資料に基づき解説する専門編集チーム。

監修

BESS NEWS編集長

系統用蓄電池の制度・系統運用を専門とする社内専門家。本記事の制度記述・数値を確認。

出典(一次情報)

  1. IRENA(国際再生可能エネルギー機関)『24/7 Renewables: The Economics of Firm Solar and Wind』(2026年・全60頁・ISBN978-92-9260-736-4)
    https://www.irena.org/publications
  2. 保存済み一次資料:02.04_蓄電池情報/06_海外動向(IEA・EIA・TSO)/IRENA/20260501_IRENA_24x7Renewables_FirmSolarWind_URL参照.md

本記事は2026年5月1日公表の一次資料のみに基づいています(対象日より後の情報は含みません)。制度内容は今後の審議等で変更される可能性があります。

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            〜BESS関連製品53件を登録番号付きで公開〜BMS/PCS/EMS/ESS関連の★1適合ラベル取得製品(当社再照合:2026-04-17、IPA製品リスト最終更新:2026-04-15)

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電力広域的運営推進機関(OCCTO)は2026年5月13日、長期脱炭素電源オークション(応札年度:2025年度・第3回)の約定結果を公表した。脱炭素電源は約定総容量426.1万kW・約定総額4,748億円/年(過去3年平均)、蓄電池は応札125.1万kW・落札率46%。実需給年度別・発電方式別の落札容量と容量拠出金試算まで収録する公式結果資料である。

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EPRX需給調整市場 取引規程 2026年7月1日改定案 ― 本則+別冊(二次調整力①・一次調整力・複合約定)を読み解く サムネイル

EPRX需給調整市場 取引規程 2026年7月1日改定案 ― 本則+別冊(二次調整力①・一次調整力・複合約定)を読み解く

電力需給調整力取引所(EPRX)は、需給調整市場の取引規程本則および別冊(二次調整力①・一次調整力・複合約定)について、2026年7月1日改定・同日実施とする改定案(全62ページ)を公表した。取引会員資格・リソース要件・事前審査(実働試験)・入札・約定処理・アセスメント・売買手数料等、蓄電池の市場参加ルールの根幹を定める制度文書である。

2026.05.11

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EPRX需給調整市場 取引規程 2026年7月1日改定案 ― 本則+別冊(三次調整力②・三次調整力①・二次調整力②)を読み解く サムネイル

EPRX需給調整市場 取引規程 2026年7月1日改定案 ― 本則+別冊(三次調整力②・三次調整力①・二次調整力②)を読み解く

電力需給調整力取引所(EPRX)は、需給調整市場の取引規程本則および別冊(三次調整力②・三次調整力①・二次調整力②)について、2026年7月1日改定・同日実施とする改定案(全62ページ)を公表した。取引会員資格・リソース要件・事前審査(実働試験)・入札・約定処理・アセスメント・売買手数料等、蓄電池の市場参加ルールの根幹を定める制度文書である。

2026.05.11

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容量市場のNet CONE見直しと「2段階シングルプライス(案A-2)」 ― ペナルティレート90時間化と蓄電池への影響 サムネイル

容量市場のNet CONE見直しと「2段階シングルプライス(案A-2)」 ― ペナルティレート90時間化と蓄電池への影響

制度検討作業部会の第114回会合に『第二十五次中間とりまとめ(案)』(全50ページ)が提出された。容量市場のNet CONE(指標価格)を最新の発電コスト検証WG値(約2.05万円/kW・上限約3.1万円/kW)へ見直す方向を整理し、2026年度メインオークションでは影響緩和措置として「2段階シングルプライス(案A-2)」を採用。ペナルティレートZは30時間から90時間へ見直される。

2026.05.08

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EPRX、需給調整市場の売買手数料が倍増へ〜2026年度は0.06円/ΔkW・30分、4月1日実需給分から適用〜

EPRX、需給調整市場の売買手数料が倍増へ
〜2026年度は0.06円/ΔkW・30分、4月1日実需給分から適用〜

ePRXは、2026年度の需給調整市場の売買手数料単価を0.06円/ΔkW・30分(税抜)に決定しました。2025年度の0.03円/ΔkW・30分(税抜)から、単価は2倍です。

2026.05.05

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長期脱炭素電源オークション(2025年度応札)約定結果 ― 蓄電池は応札125.1万kW・落札率46%、次回検討へ サムネイル

長期脱炭素電源オークション(2025年度応札)約定結果 ― 蓄電池は応札125.1万kW・落札率46%、次回検討へ

資源エネルギー庁と電力広域的運営推進機関(OCCTO)の共同事務局は、第73回容量市場の在り方等に関する検討会の資料3で、長期脱炭素電源オークション(応札年度:2025年度・第3回)の約定結果を報告した。脱炭素電源は約定総容量426.1万kW・約定総額4,748億円/年(過去3年平均)。蓄電池は応札125.1万kW・落札率46%だった。

2026.05.02

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IRENA『24/7 Renewables』を読む ― 太陽光・風力+蓄電池の「firm LCOE」が測るファーム化の経済性 サムネイル

IRENA『24/7 Renewables』を読む ― 太陽光・風力+蓄電池の「firm LCOE」が測るファーム化の経済性

国際再生可能エネルギー機関(IRENA)は、変動性の太陽光・風力を蓄電池(BESS)等と組み合わせて「ファーム化」(一定の信頼度で24時間365日供給可能にする)した電力の経済性を、新指標「firm LCOE(ファーム化均等化発電原価)」で評価する報告書を公表した。95%信頼度でのコスト推移(2020〜2035年)と火力との競争力を提示する。

2026.05.01

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電取委がJEPX規程変更に異存なし 2026年4月のスポット市場新システムで取引ルールはどう変わるか

電取委がJEPX規程変更に異存なし
2026年4月のスポット市場新システムで取引ルールはどう変わるか

2026-03-23、電取委(電力・ガス取引監視等委員会。電力市場を監視する国の委員会)は、JEPX(日本卸電力取引所)の業務規程変更について、経済産業大臣に「異存なし」と回答しました。JEPX側では、その後の2026-03-30改定版規程が公表されています。

2026.04.28

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世界の蓄電池導入は108GW・前年比40%増 ― IEAが“最速成長の電源技術”と位置づけ サムネイル

世界の蓄電池導入は108GW・前年比40%増 ― IEAが“最速成長の電源技術”と位置づけ

国際エネルギー機関(IEA)は年次報告『Global Energy Review 2026』(2026年4月公表)で、2025年に世界で108GWの蓄電池が新規導入され、前年比40%増・2021年比11倍に達したと報告した。LFPが導入の約90%、約80%が系統用(ユーティリティスケール)、中国が約60%を占める。日本の系統用蓄電池の技術選定・放電時間設計・調達戦略の前提となる一次データを読み解く。

2026.04.24

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容量市場のNet CONE・上限価格見直し ― 影響緩和は「二段階シングルプライス」案3が有力に サムネイル

容量市場のNet CONE・上限価格見直し ― 影響緩和は「二段階シングルプライス」案3が有力に

資源エネルギー庁は第113回制度検討作業部会(2026年4月3日)の資料5『容量市場について』で、指標価格Net CONEと上限価格の見直しに伴う影響緩和策として案2(Net CONE超はマルチプライス併用)と案3(二段階シングルプライス)を比較し、確実な供給力確保の観点から案3が望ましいと整理した。2027年度実需給向け追加オークションの開催判断、非効率石炭火力の稼働抑制誘導措置もあわせて議論された。

2026.04.03

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北海道で蓄電池を需給調整市場に出す前に ― 2入札方式不可・専用線受口上限、5つの参入制約を読み解く サムネイル

北海道で蓄電池を需給調整市場に出す前に ― 2入札方式不可・専用線受口上限、5つの参入制約を読み解く

北海道電力ネットワークは2026年3月12日付(第1版)で、北海道エリアの需給調整市場参加・余力活用契約締結にあたっての同社システム上の参入制約を公表した。単体ネガポジリソース(揚水・蓄電池)の2入札方式不可、専用線オンラインの受口数上限、20超のリスト・パターン不可、片方向のみの余力活用不可、専用線オンラインでの出力変化量指令不可 ― 蓄電池の市場参入・運用に直接効く制約が整理されている。

2026.04.01

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起動費は“後から精算”へ ― 需給調整市場の事後精算ルールを説明資料53ページから読み解く サムネイル

起動費は“後から精算”へ ― 需給調整市場の事後精算ルールを説明資料53ページから読み解く

電力需給調整力取引所(EPRX)は、需給調整市場における起動費等および経済差替時の扱いに関する事後精算の説明資料(全53ページ)を2026年4月1日付で修正した。不落ブロックの起動費・最低出力までの機会費用・停止再起動費用を属地TSOと事後精算する運用ルールは2025年4月1日実需給分から適用されており、今回の修正で経済差替分の精算と精算額の公表(第19項)が新たに加わった。

2026.04.01

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精算の前提は、この覚書 ― 起動費他事後精算に関する契約書のひな形(全13ページ)を読み解く サムネイル

精算の前提は、この覚書 ― 起動費他事後精算に関する契約書のひな形(全13ページ)を読み解く

需給調整市場で起動費等の事後精算を希望する取引会員が、属地の送配電事業者と締結する『需給調整市場(起動費他事後精算)に関する契約書の覚書』のひな形(2026年4月1日以降版・全13ページ)をEPRXが公開している。不落ブロック・約定間不落・起動費未回収分相当額・経済差替え・等分メリット単価分など30の用語を定義し、精算対象と提出様式を規定する契約実務の一次資料である。

2026.04.01

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ルールブック改定、402ページ ― 取引規程(需給調整市場)Ver17の新旧対照表を読み解く サムネイル

ルールブック改定、402ページ ― 取引規程(需給調整市場)Ver17の新旧対照表を読み解く

電力需給調整力取引所(EPRX)は、取引規程(需給調整市場)の2026年4月1日改定(Ver17)の新旧対照表(全402ページ・本則+全6商品別冊)を公表した。第2条(定義)に起動供出機・持ち下げ供出機・起動費単価分・返還区分等を追加し、第36条(差替え)・第44条(返還情報の登録)を改定。起動費等の事後精算ルールと一体で機能する規程整備であり、需給調整市場入札の根幹規程の改定である。

2026.04.01

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米国で4時間電池の容量価値が下がる理由 ― FERC 2025 State of the Marketsに見る蓄電池の中心化 サムネイル

米国で4時間電池の容量価値が下がる理由 ― FERC 2025 State of the Marketsに見る蓄電池の中心化

米国連邦エネルギー規制委員会(FERC)のスタッフ報告『2025 State of the Markets』(2026年3月公表)は、2025年に発電容量が56GW増え、系統連系キュー2,130GWの74%を太陽光・蓄電池が占める実態を示した。一方で4時間電池の容量寄与率は95%から85%へ逓減する見通しで、より長い持続時間を求める構造変化が見える。

2026.03.24

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需給調整市場×低圧系統連系蓄電池:2026年度の低圧リソース活用・機器個別計測と注意点

需給調整市場×低圧系統連系
蓄電池:2026年度の低圧リソース活用・機器個別計測と注意点

低圧小規模リソースの活用と機器個別計測の制度動向をやさしく解説・低圧の蓄電池で需給調整市場を狙うなら、まず計測の場所(受電点/機器点)が論点。

2026.03.16

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需給調整市場への参入手続き全図解 ― 機器個別・低圧リソース導入と機器点計量フローの新設(2026年3月14日施行) サムネイル

需給調整市場への参入手続き全図解 ― 機器個別・低圧リソース導入と機器点計量フローの新設(2026年3月14日施行)

電力需給調整力取引所(EPRX)は、需給調整市場への参入から入札・運用・精算までの全業務フローを定めた取引ガイド別紙『業務フロー』(全70ページ)を2026年3月14日に改定・施行した。機器個別・低圧リソースの導入、機器単位の計量(機器点計量)、派生パターン変更のフローが新たに整理され、より小規模・分散的な蓄電池リソースの参入の道が広がる。

2026.03.14

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需給調整市場5商品のスペックと時刻表 ― 全商品前日取引化・入札開始30分前倒しへ(第6版) サムネイル

需給調整市場5商品のスペックと時刻表 ― 全商品前日取引化・入札開始30分前倒しへ(第6版)

電力需給調整力取引所(EPRX)が2026年3月13日に公表した『需給調整市場の商品要件と取引スケジュール』第6版を解説する。一次〜三次調整力②の応動時間・継続時間・回線・最低入札量などの技術要件と、全商品前日取引化・入札開始30分前倒しに伴う取引スケジュールの改定点を、系統用蓄電池の応札商品選定の観点で整理した。

2026.03.13

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需給調整市場への参入準備 ― 契約締結まで工事不要で約6ヶ月、専用線なら約15ヶ月の工程を読む サムネイル

需給調整市場への参入準備 ― 契約締結まで工事不要で約6ヶ月、専用線なら約15ヶ月の工程を読む

電力需給調整力取引所(EPRX)が公表する『(参考)事前準備が必要な内容』第10版(2026年3月13日以降適用・全15ページ)を解説する。需給調整市場への参入に必要な標準スケジュール、簡易指令システム/専用線オンラインの工事要否・工期・通信仕様・セキュリティ要件を、系統用蓄電池の参入計画の観点で整理した。

2026.03.13

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長期脱炭素オークション第4回 ― 蓄電池は「認定セル優先約定」へ、製造国30%制限は廃止 サムネイル

長期脱炭素オークション第4回 ― 蓄電池は「認定セル優先約定」へ、製造国30%制限は廃止

資源エネルギー庁は制度検討作業部会 第112回(2026年3月4日)の資料3で、長期脱炭素電源オークション第4回入札に向けた蓄電池の約定方法を提示した。経済安全保障推進法の供給確保計画の認定を受けたメーカー製セルを使うリチウムイオン蓄電池案件を優先的に約定し、第3回で導入したセル製造国30%制限ルールは適用しない方針である。

2026.03.04

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容量市場のNet CONE見直し ― 上限価格が約3.0万円/kWへ、蓄電池の容量収入の天井が動く サムネイル

容量市場のNet CONE見直し ― 上限価格が約3.0万円/kWへ、蓄電池の容量収入の天井が動く

資源エネルギー庁は制度検討作業部会 第112回(2026年3月4日)の資料5で、容量市場の指標価格(Net CONE)を最新の発電コスト検証WG値(2.05万円/kW、上限価格約3.0万円/kW)に見直す案と、容量拠出金負担の影響緩和措置(シングルプライス領域に上限を設定する案A-2を推奨)を議論した。目標調達量も諸元見直しで+584万kW増加する。

2026.03.04

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東京電力PG管内で初の再エネ出力制御を指示 ― 揚水619万kWでも余る昼、蓄電池に追い風 サムネイル

東京電力PG管内で初の再エネ出力制御を指示 ― 揚水619万kWでも余る昼、蓄電池に追い風

東京電力パワーグリッドは2026年3月1日、優先給電ルール(送配電等業務指針第174条)に基づき、管内で初めてとなる再生可能エネルギーの出力制御を指示した。好天で太陽光が高出力・需要が低い見通しとなり、火力抑制・揚水運転・域外送電でも供給過剰と判断。出力制御は同日11時から16時に実施された。

2026.03.01

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東京電力PG管内初の再エネ出力制御 実績速報 ― 制御量184万kW、揚水617万kW動員後もなお余った昼 サムネイル

東京電力PG管内初の再エネ出力制御 実績速報 ― 制御量184万kW、揚水617万kW動員後もなお余った昼

東京電力パワーグリッドは、管内初となる再エネ出力制御を実施した2026年3月1日の実績速報値を公表した。再エネ出力制御量は184万kW、出力制御期間は11時から16時。揚水617万kWを動員してもなお余った昼の電気の規模を、実数で示すレポートである。

2026.03.01

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IEA『Electricity 2026』の系統用バッテリー特集 ― 2024年63GW増設・累計124GW・コスト約150ドル/kWh サムネイル

IEA『Electricity 2026』の系統用バッテリー特集 ― 2024年63GW増設・累計124GW・コスト約150ドル/kWh

国際エネルギー機関(IEA)の年次電力市場報告『Electricity 2026 – Analysis and forecast to 2030』(全225ページ)は、予測期間を従来の3年から2026年〜2030年の5年に拡張し、グリッドとフレキシビリティを特集章に据えた。系統用バッテリーは2024年に63GWを増設して累計124GWに到達し、プロジェクトコストは約40%低下して約150ドル/kWhに。コスト低下と裏腹に、系統接続・許認可の多年度遅延と収益変動という課題も明示されている。

2026.02.19

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長期脱炭素電源オークション(脱炭素オークション)とは?“20年kW収入”の仕組みと、還付・リスクをやさしく整理

長期脱炭素電源オークション(脱炭素オークション)とは?
“20年kW収入”の仕組みと、還付・リスクをやさしく整理

買うのはkW(出せる力)発電量(kWh)とは別モノ。将来の供給力を確保する制度。 落札=ゴールではない供給開始・要件遵守・監視対応までが事業の本番。入金は「満額」ではない支払金額 = 容量確保契約金額− (還付/控除 + ペナルティ等)

2026.01.06

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容量市場メインオークション約定結果(2029年度)― 約定総額2兆2,094億円・全エリア指標価格超・蓄電池169万kW サムネイル

容量市場メインオークション約定結果(2029年度)― 約定総額2兆2,094億円・全エリア指標価格超・蓄電池169万kW

電力広域的運営推進機関(OCCTO)が公表した対象実需給年度2029年度のメインオークション約定結果は、約定総容量1億6,608万kW、経過措置を踏まえた約定総額2兆2,094億円となった。市場分断により約定価格は4ブロックに分かれ、いずれも指標価格(Net CONE 10,075円/kW)を上回った。蓄電池は放電可能時間3時間以上で安定電源として参加でき、応札容量は169万kW(全方式の1.0%)である。

2026.01.02

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JEPX(卸電力市場)入門 スポット/時間前のしくみと系統用蓄電池(BESS)の使い方まで一気に理解

JEPX(卸電力市場)入門 スポット/時間前のしくみと系統用蓄電池(BESS)の使い方まで一気に理解

JEPX(日本卸電力取引所)の基礎を、スポットと時間前の違いから価格の決まり方、BESSの使いどころまで一気に解説。最小単位・手数料・リスクにも触れ、初導入でも判断できます。

2025.10.19

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容量市場(OCCTO)とは?BESSの参加条件と収益の見方を、図解でやさしく解説

容量市場(OCCTO)とは?
BESSの参加条件と収益の見方を、図解でやさしく解説

容量市場は将来の供給力(kW)をオークションで前倒し確保し、約定価格は需要曲線と供給曲線の交点で決まります(エリア分断時は1.5倍上限あり)。 BESSは期待容量1,000kW以上・放電3時間以上で安定電源として参加でき、落札対価は月割(12分割)で支払われます。

2025.10.19

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初心者投資家向け・商品別に実務でわかる解説2026年版 需給調整市場(EPRX)入門 【BESS向け】

初心者投資家向け・商品別に"実務でわかる"解説
2026年版 需給調整市場(EPRX)入門 【BESS向け】

このスライドでは、需給調整市場(EPRX)の基本から、各商品の詳細仕様、実務参入のポイントまで、段階的に解説します。

2025.09.21

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脱炭素社会のキーテクノロジーである「系統用蓄電池(BESS)」のビジネスに特化した専門情報メディアです。

再生可能エネルギーの導入が加速する一方、その制度や技術は複雑で、変化のスピードも速まっています。
当メディアでは、系統用蓄電池の基礎知識はもちろん、FIT・FIP制度それぞれに対応した併設モデルの解説、需給調整市場や容量市場といったビジネスの現場、さらには関連法規や実務上の注意点まで、専門的かつ分かりやすく解説します。

これから事業を始める方の最初の羅針盤として、そして既に事業に取り組む方の情報収集の拠点として、皆様のビジネスを力強く後押しする情報をお届けしてまいります。