作成日:2026.07.30
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※本記事は、作成日または最終更新日時点で公表されている制度情報・数値・資料に基づいて作成しています。
EPRXが需給調整市場のΔkW上限価格10円への更新を告知 ― 2026年9月1日実需給分から適用
電力需給調整力取引所(EPRX)は2026年7月30日、「需給調整市場のΔkW上限価格の更新について」を公表した。第4回電力安定供給ワーキンググループ 資料6の審議結果を受けた一部商品区分の単価更新で、適用は9月1日実需給分からである。
このページの要点
- EPRXが2026年7月30日、「需給調整市場のΔkW上限価格の更新について」を公表した。
- 内容は第4回電力安定供給ワーキンググループ資料6の審議結果を受けた一部商品区分の単価更新で、一次・二次①・複合が15円/kWから10円/kWへ下がる。
- 適用は9月1日実需給分から。応札価格戦略の作り直しは8月中の作業になる。
出典:電力需給調整力取引所(EPRX)「需給調整市場のΔkW上限価格の更新について」(2026年7月30日)
入札の値札に付いていた天井が15円から10円へ下がる、という取引所からの通知である。9月1日の実需給分からは、その低い天井の下で値付けをすることになる。
上限価格15円→10円の内容と対象商品
告知の中身は、一部商品区分のΔkW上限価格の単価更新である。
図1:ΔkW上限価格15円/kW→10円/kWの更新内容と対象商品
出典:電力需給調整力取引所(EPRX)「需給調整市場のΔkW上限価格の更新について」(2026年7月30日)。
電力需給調整力取引所(EPRX)は2026年7月30日付で「需給調整市場のΔkW上限価格の更新について」を公表した。PDF本文には、第4回電力安定供給ワーキンググループ(2026年7月14日)資料6スライド22の審議結果を受けた一部商品区分の単価更新であることが記されている。対象は一次調整力・二次調整力①・複合商品で、上限価格は15円/kWから10円/kWへ下がる。
押さえておきたいのは、全商品が一律に下がるわけではないという点である。告知は一部商品区分の更新であり、対象として挙がっているのは上記の3区分にとどまる。応札の実務では、商品ごとに適用される上限を確認する手順が要る。
需給調整市場のΔkW上限価格の更新について。第4回電力安定供給ワーキンググループ(2026年7月14日)資料6スライド22の審議結果を受けた一部商品区分の単価更新であり、一次調整力・二次調整力①・複合商品の上限価格を15円/kWから10円/kWとし、2026年9月1日実需給分から適用する。
— EPRX「需給調整市場のΔkW上限価格の更新について」(2026年7月30日)9月1日実需給からという適用時期の意味
適用の基準は約定日ではなく実需給日である。ここを取り違えると準備の期限もずれる。
新しい上限価格が効くのは2026年9月1日の実需給分からである。したがって8月中に行う応札のうち、9月1日以降の実需給を対象とするものは新しい上限の下に入る。約定した日ではなく実需給日で切れるという理解が前提になる。
実務では、8月中の応札を実需給日で仕分ける作業が発生する。9月1日より前の実需給を対象とする取引は従来の上限、それ以降は新しい上限。同じ月の応札でも前提が二重になる期間ができるということである。
告知が7月30日、適用が9月1日実需給分。準備に使える期間は実質1か月しかない。
応札価格戦略への影響と8月中にやるべきこと
審議段階が終わった以上、残る作業は自社の値付けを新しい天井に合わせることである。
図2:適用(2026年9月1日実需給分)に向けて8月中にやるべき3点
出典:EPRX「需給調整市場のΔkW上限価格の更新について」(2026年7月30日)、第4回 電力安定供給ワーキンググループ 資料6。
上限が10円/kWになると、これまで上限価格の近辺で応札していた分の値付けが天井にぶつかる。応札価格を機械的にルール化している場合は、そのルールごと見直しになる。8月中に応札価格戦略を新上限前提で再構築するのが今回の実務である。
併せて、収益シミュレーションのΔkW単価も差し替える必要がある。15円/kWを前提に置いた案件収益は上振れしたままになるため、10円/kW前提で引き直したうえで、他の収益と合わせて案件全体が成立するかを確認する。
- 一次調整力・二次調整力①・複合商品の応札価格を、上限10円/kWの前提で組み直す。(期限:2026年9月1日実需給分)
- 8月中の応札を実需給日で仕分け、9月1日より前と以降で上限の前提を分けて管理する。
- 収益シミュレーションのΔkW単価を15円/kW前提から10円/kW前提へ差し替える。
- EPRXの2026年7月30日付告知と第4回電力安定供給ワーキンググループ資料6の対応関係を、応札担当と収益管理の双方に共有する。
読者別の緊急度
市場収益の前提だが、個人の投資判断への即時の影響は小さい。
収益シミュレーションの前提値の更新が必要になる。
9月1日実需給分の応札価格戦略を8月中に再構築すべき。即日着手。
よくある質問(Q&A)
EPRXは2026年7月30日に何を公表したのですか?
「需給調整市場のΔkW上限価格の更新について」という告知です。一部商品区分の単価を更新する内容で、PDF本文で第4回電力安定供給ワーキンググループ資料6スライド22の審議結果を受けたものであることが示されています。
ΔkW上限価格はいくらからいくらに変わるのですか?
15円/kWから10円/kWへ引き下げられます。対象は一次調整力・二次調整力①・複合商品です。
いつから適用されるのですか?
2026年9月1日実需給分からです。告知が7月30日ですから、準備期間は実質1か月ということになります。
すべての商品が対象になるのですか?
いいえ。EPRXの告知は一部商品区分の単価更新であり、対象として示されているのは一次調整力・二次調整力①・複合商品です。
この更新の根拠は何ですか?
第4回電力安定供給ワーキンググループ(2026年7月14日)資料6スライド22の審議結果です。今回のEPRXの告知は、その審議結果を取引所側で実施することを示すものです。
事業者は何をすればよいですか?
9月1日実需給分からの応札価格戦略を、上限10円/kWの前提で作り直すことです。収益シミュレーションのΔkW単価も15円前提から差し替える必要があります。
編集部の見立て(独自分析)
独自分析
- 審議会の事務局案が、取引所側の告知として出てきた段階である。制度側の議論の行き先を見守るフェーズは終わり、残っているのは自社の値付けを合わせる作業だけになった。
- 対象が「一部商品区分」に限られている点は運用上大きい。全商品が一律に下がるわけではないため、商品ごとに上限を確認する手順を応札オペレーションに組み込む必要がある。
- 告知が7月30日、適用が9月1日実需給分。実質的な準備期間は1か月で、応札価格をシステム側でルール化している事業者ほど改修と検証に時間を取られる。8月前半に着手しないと締まらない。
- ΔkWの単価の天井が下がった分、案件収益をΔkW単独で見る余地は狭まる。ΔkWhや卸取引など他の収益との組み合わせで案件全体を評価する運用へ寄せるほうが現実的だと考える。
※本ブロックは一次資料の事実に基づく編集部の見立てであり、一次資料に記載された決定事項ではありません。
この記事のまとめ
EPRXは2026年7月30日、「需給調整市場のΔkW上限価格の更新について」を公表した。第4回電力安定供給ワーキンググループ(2026年7月14日)資料6の審議結果を受けた一部商品区分の単価更新で、一次調整力・二次調整力①・複合商品の上限が15円/kWから10円/kWへ下がる。適用は9月1日実需給分から。審議段階の案が取引所の実施告知になった段階で、残るのは8月中の応札価格戦略の作り直しである。
編集体制
執筆
BESSNEWS編集部
系統用蓄電池の制度・市場・ファイナンスを一次資料に基づいて解説する編集部。審議会資料・約款・公募要領を原文で確認して記事化しています。
監修
BESS NEWS編集長
需給調整市場の制度設計と応札運用を担当。本記事の記載はEPRXの2026年7月30日付告知文と突き合わせて確認した。
出典(一次情報)
- EPRX「需給調整市場のΔkW上限価格の更新について」(2026年7月30日・PDF)
https://www.eprx.or.jp/j_information/docs/202607300000_news.pdf
本記事は2026年7月30日時点で公表された一次資料に基づきます。以後の改訂・追加公表は反映していません。
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